福岡県築上郡吉富町小犬丸に鎮座する八幡古表神社は、山国川を挟んで大分県中津市に隣接する、歴史と神秘に満ちた神社です。その歴史は古く、欽明天皇6年(545年)に神功皇后の託宣により息長大神宮として創建されたと伝えられています。当初は八幡宮が祀られ、脇殿には住吉宮が祀られていました。
その後、天平16年(744年)には、現在も神社の重要な行事となっている「細男舞・神相撲」の神々を祀る古表社が創建されました。以来、八幡宮古表社、古表八幡宮などと呼ばれ、多くの崇敬を集めてきました。現在では八幡古表神社として親しまれています。
国宝級の文化財と、息を呑む神事
八幡古表神社は、三つの国指定重要文化財を誇ります。神功皇后が黒牛にまたがった姿の御神像、細男舞・神相撲の47体の木彫りの御神像、そして何よりも圧巻なのが、4年に一度行われる「細男舞・神相撲」という国指定重要無形民俗文化財の行事です。
この神事では、木彫りの御神像が舞い、相撲を取るという、他に類を見ない独特の様式が特徴です。神々を模した傀儡子が、神聖な舞と力強い相撲を繰り広げる様は、見る者を圧倒する神秘的な体験となるでしょう。江戸時代には、中津藩主からも厚い崇敬を受け、多くの宝物も伝承されています。
伝説とミステリー:神功皇后と隼人
神社の創建には、神功皇后の三韓征伐にまつわる伝説が深く関わっています。神功皇后が戦勝祈願を行った際に、この地に鎮座したと伝えられています。また、養老3年(719年)には、隼人の反乱鎮圧に際し、神社の神官が重要な役割を果たしたという歴史も残されています。
さらに、神社の祭神である住吉大神の傀儡子が他の神々よりも小さく、黒く作られていることから、南方系の隼人の神ではないかという説も存在します。これらの伝説や説は、八幡古表神社の歴史と神秘性をより一層深めています。
アクセスと周辺情報
JR吉富駅から徒歩約15分、東九州自動車道豊前ICから車で約20分の場所に位置しています。境内には約30台分の駐車場も完備されています。周辺には、天仲寺古墳や鈴熊寺など、歴史的な史跡も点在しており、一日かけてゆっくりと散策するのも良いでしょう。
まとめ:歴史と神秘の融合
八幡古表神社は、歴史、伝説、そして神秘的な神事と、多くの魅力を兼ね備えた神社です。訪れる人々を魅了する、独特の雰囲気と神聖な空気に満ち溢れています。福岡県を訪れた際には、ぜひ足を運んで、その魅力を体感してみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 八幡古表神社の傀儡子の舞と相撲 文化遺産オンライン
[2] 八幡古表神社|福岡県町村会
[3] 八幡古表神社公式webサイト‐福岡県吉富町鎮座(中津市、豊前市、上毛町に隣接) – 神相撲の社、こひょう神社。
[4] https://www.f-chousonkai.gr.jp/data/news/655a9f24dbc5c.pdf
[5] 八幡古表神社