壱岐の神秘、天手長男神社:137段の石段と悠久の歴史

長崎県壱岐市郷ノ浦町に鎮座する天手長男神社(あまのたながおじんじゃ)。壱岐国一宮の後継社であり、137段の苔むした石段を登りきった山頂に、その社殿は静かに佇んでいます。古くから人々の信仰を集め、数々の歴史と伝説を秘めたこの神社の魅力に迫ってみましょう。

基本情報

  • 所在地: 長崎県壱岐市郷ノ浦町田中触730
  • 主祭神: 天忍穂耳尊、天手力男命、天鈿女命
  • 旧社格: 村社
  • 式内社: 名神大社論社(『延喜式神名帳』に記載されているが、比定は確証がない)
  • 例祭日: 4月第3日曜日(春祭)、10月13日(例祭)、12月16日(神迎祭)

137段の石段と、国宝級の石像

天手長男神社への参道は、137段の石段が続きます。苔むした石段をゆっくりと登っていくと、古代へのロマンを感じずにはいられません。山頂に辿り着くと、そこには静謐な社殿が。そして、この神社のもう一つの見どころが、境内から出土した石造弥勒如来坐像です。延久二年(1070年)の銘があり、日本で3番目に古い石像として国の重要文化財に指定されています。この石像の存在は、神社の歴史の深さを物語る重要な証拠と言えるでしょう。

神功皇后と「御手長」の伝説

天手長男神社の社名「天手長男」の由来には、神功皇后の三韓征伐にまつわる伝説があります。宗像大社の神である宗大臣が、「御手長」という旗竿に紅白の旗をつけ、その上げ下げで敵を翻弄したというのです。この「御手長」が、神社名の由来になったとされています。この伝説は、神社が古くから軍事的な力と結びついていたことを示唆しており、興味深い点です。

合祀された神社と、謎めいた歴史

天手長男神社には、天手長比売神社や物部布都神社など、複数の神社が合祀されています。これらの神社もまた、『延喜式神名帳』に記載されている式内社と比定されていますが、確証はありません。これらの神社の合祀や、元寇による廃絶と再興といった歴史は、天手長男神社の歴史に謎めいた魅力を与えています。

御朱印について

天手長男神社では、予め用意された御朱印を300円で授与しています。ただし、宮司さんの都合によりお受けできない場合もあるため、事前に確認することをお勧めします。

アクセス

壱岐空港からタクシーで約10分、郷ノ浦港からもタクシーでアクセス可能です。公共交通機関でのアクセスは不便なため、車での訪問がおすすめです。

まとめ

137段の石段、国宝級の石像、神功皇后にまつわる伝説、そして謎めいた歴史。天手長男神社は、壱岐の豊かな自然と歴史を感じることができる、魅力的な場所です。壱岐を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。 神秘的な雰囲気と、悠久の歴史に思いを馳せることができるでしょう。

関連リンク・参考文献

[1] 天手長男神社 – Wikipedia
[2] 天手長男神社 | 全国の一の宮 | 一の宮巡拝会
[3] 壱岐國一の宮 天手長男神社
[4] 天手長比売神社
[5] 天手長男神社 | 観光スポット | 【公式】長崎観光/旅行ポータルサイト ながさき旅ネット

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