静岡県三島市の中心部に鎮座する三嶋大社は、古くから伊豆国一宮として崇敬を集める由緒ある神社です。その歴史は古く、奈良・平安時代の古書にも記録が残されており、社名である「三嶋」は地名にもなっています。約2900年前の富士山の大崩壊による土石流堆積物の上に位置する境内には、千年以上の樹齢を誇る巨木や、歴史を感じさせる数々の建造物が点在しています。
歴史と伝説:源頼朝と三嶋大社
三嶋大社は、源頼朝公との深い関わりでも知られています。頼朝は伊豆に流された際、三嶋大社に源氏再興を祈願し、百日詣でを行ったと伝えられています。その祈願成就後、頼朝は三嶋大社に多くの寄進を行い、社領を広げ、神池の整備などにも尽力しました。境内には、頼朝と北条政子が休息したとされる「腰掛け石」や、政子が勧請したとされる厳島神社など、頼朝夫妻ゆかりの場所が数多く残されています。毎年8月16日には、頼朝公旗挙出陣奉告祭が盛大に執り行われ、頼朝の挙兵を祝います。
境内を彩る神秘と自然
広大な境内には、神池に架かる朱色の橋や、樹齢1200年と推定される天然記念物の金木犀など、見どころが満載です。金木犀の甘い香りは、かつては2里(約8km)四方にまで届いたと言われています。また、境内には多くの鹿が生息しており、神鹿として大切に保護されています。神池には多くの鯉が泳ぎ、赤い橋を渡る参道は、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
見どころ:歴史と文化の宝庫
- 本殿: 伊豆の名工、小沢半兵衛・希道親子による精緻な彫刻が施された総けやき素木造りの本殿は、重要文化財に指定されており、その荘厳な姿は圧巻です。
- 宝物館: 源頼朝の下文をはじめ、鎌倉時代や南北朝時代の武将からの寄進品など、貴重な歴史資料が数多く展示されています。北条政子が奉納したとされる国宝「梅蒔絵手箱」も見どころの一つです。
- たたり石: 旧東海道の中央に置かれ、人の流れを整理する役割を果たしていたとされる石。その名前の由来には、不思議な伝説が残されています。
- 神馬舎: 古くから三嶋大社の神馬は毎朝神様を乗せて箱根山に登るという伝説があり、子供の成長と健脚を祈る風習があります。
ご利益とパワースポット
三嶋大社は、商売繁盛、家内安全、交通安全、厄除け、勝負運向上など、多岐にわたるご利益があるとされています。境内全体がパワースポットとして知られており、多くの参拝者や観光客が訪れています。
アクセス
JR三島駅より徒歩約10分、伊豆箱根鉄道田町駅より徒歩約5分と、アクセスも良好です。
三嶋大社は、歴史と自然、そして神秘が融合した、訪れる人を魅了する場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 伊豆国一番の格式!三嶋大社のご利益と歴史スポット | たびらい観光情報
[2] 『鎌倉殿の13人』で話題! 三嶋大社と門前の絶品グルメを堪能!! | ふじのくにパスポート
[3] 三嶋大社
[4] 三嶋大社 | 熱海ロマン紀行
[5] 三嶋大社(刀剣と甲冑)/ホームメイト
[6] 歴史の小箱 | 三島市郷土資料館
[7] 三嶋神社について | 三嶋神社
[8] 三嶋大社 | 南から来た火山の贈りもの 伊豆半島ジオパーク
[9] 境内 | 三嶋大社
[10] パワースポット「三嶋大社」参拝で開運!鹿とのふれあいやご当地グルメも満喫 【楽天トラベル】
[11] 三嶋大社 – 静岡県神社庁