宮崎県日南市に鎮座する鵜戸神宮は、日向灘に突き出た鵜戸崎岬の断崖絶壁に位置する、神秘的な神社です。地元の人々からは「鵜戸さん」と親しみを込めて呼ばれ、その美しい景観と数々の伝説から、多くの観光客を魅了しています。
基本情報
- 所在地: 宮崎県日南市大字宮浦3232
- 祭神: 日子波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコト)を主祭神とし、神武天皇など他の皇祖神も祀られています。
- 旧社格: 官幣大社
- アクセス: 宮崎空港からバスで約60分、JR宮崎駅から宮崎交通バスで約1時間30分。
- 拝観時間: 6:00~18:00(季節により変動あり)
- 駐車場: あり(無料)
神武天皇誕生の地と伝わる神話
鵜戸神宮は、日本の初代天皇である神武天皇の父、ウガヤフキアエズノミコトの誕生地と伝えられています。神話によると、ウガヤフキアエズノミコトは、海神・豊玉姫と山幸彦の間に生まれた子供です。豊玉姫は、鵜の羽で葺いた屋根が完成する前に産気づき、急造された産屋でウガヤフキアエズノミコトを出産しました。この時、山幸彦が豊玉姫の本来の姿(鮫の姿)を見てしまったため、豊玉姫は悲しみに暮れ、生まれたばかりの子供を残して海へ帰って行ったとされています。鵜戸神宮が建つ洞窟は、この神話が生まれた場所とされています。
神秘的な洞窟神殿と運玉投げ
鵜戸神宮の最大の特徴は、東西38m、南北29m、高さ8.5mの巨大な海食洞内に本殿が鎮座している点です。参拝するには、断崖に沿って作られた石段を下る必要があり、「下り宮」として知られています。朱塗りの鮮やかな本殿は、洞窟の奥に神秘的に佇み、訪れる人を圧倒する荘厳さを放っています。
境内には、願い事を込めて亀石のくぼみに運玉を投げる風習があります。運玉がくぼみに入ると願いが叶うと言われ、多くの参拝客が挑戦しています。
その他見どころ
- 鵜戸山八丁坂: 吹毛井港から神宮の山門までの約800mの石段参道。尼僧が磯石を頭に担いで築いたと伝えられています。
- 鵜戸山の磨崖仏: 18世紀に作られた磨崖仏。
- 撫でうさぎ: 境内には多くの石像のうさぎが置かれており、撫でるとご利益があると言われています。
- お乳岩: 豊玉姫が乳を滴らせたという伝説が残る岩。
国指定名勝
鵜戸神宮とその周辺の海岸は、平成29年10月13日に「鵜戸」の名で国の名勝に指定されました。波の浸食によって形成された奇岩や怪礁、美しい景観は、まさに絶景と言えるでしょう。
早朝参拝のすすめ
早朝に参拝すると、静寂に包まれた境内と、日向灘の雄大な景色を独り占めできる特別な体験ができます。
鵜戸神宮は、神話、伝説、そして美しい自然が融合した、まさに奇跡の場所です。 宮崎を訪れた際は、ぜひ訪れて、その神秘的な雰囲気と壮大な景色を体感してみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 鵜戸神宮 神秘の神社を現地編集部が徹底ガイド | たびらい宮崎
[2] 鵜戸神宮【国指定名勝】|観光にちなんの旅 日南市観光協会
[3] 鵜戸神宮 – Wikipedia
[4] 【鵜戸神宮】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet
[5] https://www.mlit.go.jp/tagengo-db/common/001558210.pdf
[6] 鵜戸神宮 | 観光スポット | 宮崎県公式観光サイト「みやざき観光ナビ」