大分県日田市にある日田神社は、地元民からは「日田殿(ひたどん)」と呼ばれ親しまれている神社です。祭神は、初代郡司である大蔵永弘と、46代当主で「相撲の神様」として崇敬されている大蔵永季です。特に永季は、別名「鬼蔵大夫」と呼ばれ、その怪力無双ぶりで知られています。
鬼蔵大夫と天神の伝説
永季が16歳の時、京都で行われた相撲節会に出場する前に、信心していた天神社に参拝しました。川辺で大根を洗っていた若い娘に抱きつきましたが、逆に娘の怪力で身動きが取れなくなってしまいます。実はこの娘は天神であり、永季に、対戦相手である「出雲の小冠者」という強敵への注意を促す託宣を与えたのです。
小冠者は全身鉄の皮膚を持つ強敵でしたが、唯一の弱点がありました。彼の母親は毎日鉄を食べていたため、体が非常に強靭でしたが、一度だけ誤って瓜を食べてしまったため、額のみに生身の皮膚が残っていたのです。
試合中、劣勢に立たされた永季は、川辺で出会った娘の姿を思い出し、娘がしきりに額を触っていたことを思い出します。そして、小冠者の額を思いきり打ちつけ、一撃で勝利を収めました。この娘と出会った場所には現在、「鬼松天神」の社があります。
日田神社と相撲
この相撲節会での活躍から、永季は相撲の神として崇敬されています。現在も日本相撲協会が日田に巡業に来た際には、必ず日田神社に公式参拝を行っています。永季の生涯は、京都での相撲節会への参加記録などから、1056年から1104年までと推定されています。
日田神社の由緒と魅力
日田神社は、歴史と伝説に彩られた由緒ある神社です。鬼蔵大夫の逸話や、相撲との深い関わりなど、多くの魅力にあふれています。日田を訪れた際には、ぜひ訪れて、その歴史と神秘に触れてみてください。 日田市内には他にも多くの歴史的建造物やパワースポットが存在し、日田の豊かな歴史と文化を体感できます。
関連リンク・参考文献
[1] 文化のご紹介(日田) | 九州小京都オフィシャルサイト
[2] 日田神社 – 伝承怪談奇談・歴史秘話の現場を紹介|日本伝承大鑑