埼玉県深谷市原郷に鎮座する楡山神社は、古くから地域の人々に親しまれ、歴史と神秘に満ちた神社です。JR深谷駅から北東へ約2.5km、福川にかかる権現堂橋の南側に位置し、静かな農村風景の中にひっそりと佇んでいます。
由緒と歴史:古代から続く信仰の証
創建は伝承によれば孝昭天皇の御代とされ、その歴史は古代に遡ります。境内周辺には木の本古墳群が広がり、楡山神社も同名の式内社に比定されていることから、非常に古い歴史を持つ神社であることが伺えます。社名の由来は、かつて神域に楡の木が多く茂っていたことにちなむと言われています。
平安時代の延喜式神名帳にも記載されており、朝廷から幣帛を賜った由緒ある古社であることが証明されています。中世には、天台宗東学院が別当寺となり、「熊野三社大権現」や「熊野社」とも呼ばれるようになりました。地元民は古くから「楡山神社」と呼んでおり、その信仰の深さがうかがえます。明治5年には郷社、大正12年には県社に昇格しました。
祭神と信仰:国生みの神、伊邪那美命
主祭神は伊邪那美命(いざなみのみこと)です。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と共に国土や山川草木を生み出したとされる、日本の神話において重要な役割を担う神です。火産霊神(ほむすびのかみ)を生んだ後、鎮火の法を悟った神としても知られています。
江戸時代には熊野信仰の影響を受け、「熊野三社大権現」として崇敬を集め、神紋には熊野信仰と関連の深い八咫烏(やたがらす)が用いられています。節分の年越祭は盛大に行われ、「権現様の豆まき」として知られていました。
境内と見どころ:歴史を感じさせる建造物と神秘の空間
境内には、拝殿、本殿、神楽殿などの建造物が並び、本殿の壁面には見事な彩色彫刻が施されています。境内社として、荒神社、天満天神社、大物主神社、手長神社、大雷神社、八坂神社、稲荷神社、知知夫神社、招魂社などが祀られています。
かつては境内の森の奥に塚があり、「里人不入の地」と呼ばれ、神聖な場所として大切に守られてきました。この地には、古くからの言い伝えや神秘的な雰囲気が漂い、訪れる人を魅了します。
かつては埼玉県の天然記念物に指定されていた大楡の御神木は残念ながら枯死してしまいましたが、その歴史は今も人々の心に受け継がれています。
アクセスと情報:深谷の歴史と自然に触れる旅へ
楡山神社は、公共交通機関ではJR高崎線深谷駅から徒歩30分ほどかかります。周辺には、歴史的な史跡や自然豊かな場所も多く、深谷の歴史と自然を満喫できる旅の目的地として最適です。
静寂に包まれた境内では、悠久の歴史と自然の息吹を感じ、心安らぐひとときを過ごせるでしょう。
その他:
- 楡山神社の公式ウェブサイトや、深谷市の観光情報サイトなどで、より詳細な情報を確認できます。
- 訪問の際は、事前に神社の開門時間や参拝方法などを確認することをお勧めします。
- 境内は自然豊かな場所ですので、服装や持ち物にも注意しましょう。
このブログ記事が、皆様の楡山神社への訪問の参考になれば幸いです。
関連リンク・参考文献
[1] 楡山神社由緒
[2] 【埼玉県・深谷市】楡山神社 | 鳥居の向こう側
[3] 楡山神社
[4] 北区公式ホームページ – 指定されたページ、またはファイルは見つかりませんでした。
[5] 楡山神社 – Wikipedia
[6] 榆山神社 楡山神社
[7] 深谷市 楡山神社
[8] https://www.visiting-japan.com/ja/articles/saitama/j11fy-nireyama-jinja.htm