島根県隠岐の島町郡に鎮座する水若酢神社(みずわかすじんじゃ)。隠岐国一宮、式内社(名神大社)、旧国幣中社、そして現在は神社本庁の別表神社として、古くから島民の信仰を集める由緒ある神社です。本殿は「隠岐造り」と呼ばれる独特の建築様式で、国の重要文化財に指定されており、その歴史と神秘的な雰囲気は多くの観光客を魅了しています。
歴史と伝説:神話の息吹を感じる古社
創建年代は諸説ありますが、一説には第10代崇神天皇の御代、あるいは第16代仁徳天皇の御代と伝えられています。古事記や日本書紀には登場しない地方神・水若酢命(みずわかすのみこと)を主祭神とし、中言命(なかことのかみ)、鈴御前(すずごぜん)を配祀します。 延喜式神名帳には「隠岐国穏地郡水若酢命神社名神大」と記され、その格の高さが伺えます。 残念ながら、過去の火災や水害により多くの古文書や社宝が失われたため、詳細な歴史は不明な点も多いのですが、その神秘性をかえって増していると言えるかもしれません。 水若酢命は海中から現れ、島を開拓したとされる伝説も残っており、隠岐の島開拓と深く関わっていると考えられています。
隠岐造りの本殿:素朴な美しさの中に宿る威厳
寛政7年(1795年)に建造された現存の本殿は、神明造りを基調としながらも、隠岐独特の「隠岐造り」という様式で建てられています。茅葺き屋根の素朴な美しさは、周囲の自然と見事に調和し、静寂の中に威厳を感じさせます。本殿の鬼板には直径33cmもの大きな菊の御神紋が飾られ、神聖な雰囲気をさらに高めています。 この本殿は、平成4年(1992年)に国の重要文化財に指定されました。
境内と周辺:豊かな自然と歴史の融合
水若酢神社の境内には、水若酢神社古墳群(姿だわ古墳群)と呼ばれる古墳時代後期の古墳群も存在します。 神社周辺は豊かな自然に囲まれ、緑道が本殿へと続いています。 境内には相撲の土俵もあり、隠岐で盛んな相撲文化の一端を垣間見ることができます。 また、隠岐郷土館や五箇創生館も併設されており、歴史と自然を満喫できるスポットとなっています。
アクセスと情報:隠岐の島への旅の計画
水若酢神社へのアクセスは、西郷港から車で約25分です。 無料駐車場も完備されています。 御朱印もいただけますので、忘れずにお参りしましょう。 近年では映画「渾身KON-SHIN」のロケ地としても使用され、さらに注目を集めています。
まとめ:隠岐の島を代表する聖地
水若酢神社は、歴史、伝説、そして自然が一体となった、隠岐の島を代表する聖地です。 隠岐の島を訪れた際には、ぜひ訪れて、その神秘的な雰囲気と歴史の重みを感じてみてください。 忘れられない旅の思い出となることでしょう。
関連リンク・参考文献
[1] 水若酢神社 – Wikipedia
[2] 水若酢神社|隠岐の島を観るならビーウェーブの隠岐の島旅行
[3] 501 Not Implemented
[4] 水若酢神社(島根県隠岐の島町)