埼玉県深谷市原郷に鎮座する楡山神社は、古くから地域の人々に親しまれてきた由緒ある神社です。その歴史は古く、伝承によれば第5代孝昭天皇の御代に創建されたと伝えられています。また、『延喜式神名帳』にも記載されている式内社であり、その歴史は古代にまで遡ります。
悠久の歴史と由緒
地域一帯には木の本古墳群が広がり、楡山神社もその歴史と深く関わっていると考えられています。社名の由来は、かつて神域に多くの楡の木が繁茂していたことにちなむとされています。江戸時代には天台宗の東学院が別当寺となり、「熊野三社大権現」や「熊野社」とも呼ばれるようになりましたが、地元の人々は古くから「楡山神社」と呼んでいました。明治5年には郷社に、大正12年には県社に昇格しています。
神々への信仰と伝承
主祭神は伊邪那美命(いざなみのみこと)です。伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と共に国土や山川草木を生み出したとされる神で、「国生み」の神として広く信仰を集めています。境内には、八坂神社、大雷神社、手長神社など、多くの境内社も祀られています。
源義家の奥州征伐の際、当地の豪族である幡羅太郎道宗の長男、成田助高が戦勝祈願をしたという伝承も残っています。成田家は後に忍城主となり、楡山神社を代々崇敬したと言われています。
神秘に満ちた境内と「里人不入の地」
かつては境内の森の奥に塚があり、「里人不入の地」と呼ばれ、神聖な場所として人々の畏敬の念を集めていました。この森には多くの楡の木が生い茂っており、そのうちの一本は埼玉県の天然記念物に指定されていたこともありました。現在も境内には古くからの楡の木が残っており、神社の歴史を感じさせてくれます。
現代に残る信仰と魅力
現在も、節分の年越祭や3月3日の鎮火祭など、古くからの神事が盛大に行われています。これらの神事には、地域内外から多くの参拝者が訪れます。また、境内には見事な彫刻が施された本殿や、多くの境内社があり、歴史と信仰の深さを物語っています。
アクセスと情報
JR深谷駅から約2.5kmの場所に位置し、静かな農村地帯の中に佇む楡山神社は、歴史と神秘に満ちた空間です。深谷を訪れた際には、ぜひ足を運んで、その歴史と雰囲気を感じてみてください。
まとめ
- 埼玉県深谷市原郷に鎮座する古社。
- 伝承によれば第5代孝昭天皇の御代に創建。
- 『延喜式神名帳』に記載されている式内社。
- 主祭神は伊邪那美命。
- 境内には多くの境内社が鎮座。
- 源義家や成田氏との関わりも。
- かつては「里人不入の地」と呼ばれる神聖な森があった。
- 現在も盛大な神事が行われている。
このブログ記事が、皆様の楡山神社への理解を深める一助となれば幸いです。
関連リンク・参考文献
[1] 楡山神社
[2] 楡山神社(ニレヤマジンジャ)の場所・祭神 わかりやすく解説 Weblio辞書
[3] 【埼玉県・深谷市】楡山神社 | 鳥居の向こう側
[4] 深谷市 楡山神社
[5] 楡山神社 – Wikipedia
[6] 楡山神社 (深谷市原郷) | みぃ@御朱印
[7] 阿蘇を訪れたら立ち寄りたいパワースポット6選。水源から神社まで – みちくさガイド
[8] 「楡山神社」(深谷市-神社-〒366-0035)の地図/アクセス/地点情報 – NAVITIME
[9] 楡山神社由緒
[10] 榆山神社 楡山神社
[11] 楡山神社(深谷市原郷) – Shrine-heritager