宮城県多賀城市市川に鎮座する陸奥総社宮(むつそうしゃのみや)。その歴史は古く、平安時代中期に編纂された『延喜式』に記載のある陸奥国の延喜式内社100社を祭る神社として知られています。古くは奏社宮(そうしゃのみや)と呼ばれ、鹽竈神社の十四末社の一つでもありました。
歴史と伝説:
創建年代は不明ですが、多賀城に赴任した国司が東門近くに勧請したと伝えられています。多賀城は、神亀元年(724年)に陸奥の国府および鎮守府として置かれた重要な拠点でした。陸奥総社宮は、国司が自ら祭祀を執り行った歴史を持ち、国内31郡の式内社100社の神霊を合祀しています。
平安時代には、国司が国内の神社を巡拝する任務がありましたが、その手間を省くため、国府近くに国内の神々を集めて祀る総社が設けられるようになりました。陸奥総社宮は、その陸奥国の総社として比定されることが多いですが、平安時代の記録には明確に記されておらず、鹽竈神社を総社とする説も存在します。
鎌倉時代には、源頼朝の命により陸奥国留守職として多賀城に入った伊沢家景が社地を寄進したとされ、その後も伊達政宗公をはじめとする歴代藩主から篤く崇敬されました。江戸時代には、鹽竈神社に参拝する前に必ず陸奥総社宮に参拝しなければご利益がないと信じられていたため、多くの参拝者で賑わいました。
神秘とパワースポット:
陸奥総社宮は、多賀城跡の近く、加瀬沼のほとりに位置し、鬱蒼とした木々に囲まれた静謐な空間が広がっています。境内には、樹齢600年を超える老杉や220年を超える老白木蓮など、歴史を感じさせる巨木がそびえ立ち、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
また、多賀城は古代において重要な拠点であったことから、陸奥総社宮はパワースポットとしても注目されています。特に、安産守護のご利益があるとされ、多くの妊婦やその家族から信仰を集めています。
見どころ:
- 拝殿: 荘厳な雰囲気の拝殿では、神々しい空気に包まれます。
- 本殿: 格式高い本殿は、歴史の重みを感じさせます。
- 境内社: 境内には、いくつかの境内社が祀られています。
- 巨木: 樹齢数百年の老杉や白木蓮は、見ごたえがあります。
- 御朱印: 歴史ある神社ならではの、由緒正しい御朱印をいただけます。
アクセス:
JR東北本線「国府多賀城駅」から徒歩約20分。
陸奥総社宮は、歴史と神秘に満ちた神社です。多賀城の歴史や文化に触れたい方、パワースポットを求める方、静かな空間で癒されたい方におすすめです。ぜひ、足を運んでみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 陸奥総社宮 | 心の癒し~神社・仏閣・御陵巡り~
[2] 多賀城市の文化財/歴史の風 神社編
[3] 歴史の風 117 ~陸奥総社宮と神社合祀~ – 多賀城 陸奥総社宮
[4] ヤマトの最果て・みちのくの守り宮(宮城県)陸奥総社宮 – 神社の御朱印巡り
[5] 陸奥総社宮~陸奥国府の総社~
[6] 陸奥総社宮(多賀城市)