千栗八幡宮:肥前国一宮の神秘と歴史

佐賀県三養基郡みやき町に鎮座する千栗八幡宮は、肥前国一宮として知られる由緒ある神社です。その歴史は古く、神亀元年(724年)に肥前国養父郡の郡司、壬生春成が八幡大神の神託を受けて創建されたと伝えられています。

創建の伝説:千本の栗の木

創建に関する伝説は実に興味深いものです。壬生春成が千栗山で猟をしていると、一羽の白い鳩が弓の先に止まりました。その夜、夢に白髪の翁が現れ、丸い盆に千個の栗を盛って授け、「この地に八幡神を祀れ」と告げます。翌朝、春成が千栗山に戻ると、一夜にして千本の栗の木が生い茂っていたというのです。この「千の栗」から「千栗」と名付けられ、「ちりく」と読むようになったと言われています。この伝説は、神社周辺に現在も栗の木が多く自生していることと関連しているのかもしれません。しかし、実際に神社周辺に千本の栗の木があるという記述は見当たりません。もしかしたら、かつては多くの栗の木があったのかもしれませんし、伝説の比喩表現なのかもしれません。

古賀稔彦氏と「栄光への石段」

千栗八幡宮への参道には、146段の石段があります。この石段は、地元出身の柔道家、故・古賀稔彦氏が少年時代にトレーニングに使っていたことから「栄光への石段」と呼ばれ、現在も多くのスポーツ愛好家がトレーニングに訪れています。石段を上り下りするだけで、日々の鍛錬の成果を実感できるかもしれません。

お粥だめし:1200年以上の歴史を誇る神事

毎年3月15日に行われる「お粥だめし」は、日本三大粥祭りの一つに数えられる独特の神事です。前年の2月26日に炊かれたお粥を、東西南北の四方に分け、そのカビの生え具合によって、その年の吉凶を占います。1200年以上の歴史を持つこの神事は、地域住民にとって重要な行事であり、多くの参拝者を集めています。2023年の福岡西方沖地震を的中させたという話も耳にするようになりました。

その他の神事

8月1日には「名越祭」(茅の輪くぐり)、9月15日には秋季大祭「放生会」と行列浮立が行われます。これらの神事を通して、地域住民の信仰と伝統文化が受け継がれていることが分かります。

肥前国一宮の座を巡る争い

千栗八幡宮は、平安時代後期より肥前国一宮を称してきましたが、近世になって式内社・河上神社(現・與止日女神社)との間で一宮の称号を巡る争いがありました。この争いの詳細は不明な点が多く、歴史の謎として残されています。

千栗八幡宮の魅力

千栗八幡宮は、創建に関する神秘的な伝説、古賀稔彦氏ゆかりの石段、独特の神事「お粥だめし」など、多くの魅力を秘めた神社です。歴史と自然に囲まれた静かな境内は、心身ともに癒される空間を提供してくれるでしょう。訪れた際には、これらの魅力をじっくりと堪能し、歴史と伝統に思いを馳せてみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 旅 1006 千栗八幡宮(肥前国一宮): ハッシー27のブログ
[2] 千栗八幡宮 | 観光地 | 【公式】佐賀県観光サイト あそぼーさが
[3] 九州の神社:佐賀県・千栗八幡宮(みやき町)
[4] みやき町 伝承・伝説 千栗の栗
[5] 千栗(ちりく)八幡宮 | 佐賀ンもん
[6] 千栗八幡宮(ちりくはちまんぐう)-みやきsanpo みやき町観光協会 佐賀県みやき町
[7] 厄除けパワーで邪気もバイバイ。スッキリ!!肥前国一之宮 千栗八幡宮 佐賀県 | 下川友子オフィシャルブログ「パワースポットへいこうっ♫」Powered by Ameba

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