冨士御室浅間神社:富士山信仰の揺籃、そして現代への継承

山梨県富士河口湖町に鎮座する冨士御室浅間神社は、その歴史と神秘的なロケーションから、多くの参拝者を魅了する神社です。富士山信仰の重要な拠点として、古くから人々の崇敬を集めてきました。今回は、その歴史、伝説、そして現代の姿を紐解いていきます。

基本情報

  • 名称: 冨士御室浅間神社(ふじおむろせんげんじんじゃ)
  • 所在地: 山梨県南都留郡富士河口湖町勝山3951
  • 祭神: 木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
  • 旧社格: 県社
  • 現在: 神社本庁別表神社

二つの宮、二つの顔

冨士御室浅間神社は、本宮と里宮の二つの社殿から構成されています。本宮は富士山二合目に位置し、古くから富士山信仰の拠点として機能していましたが、現在は石の祠のみが残されています。一方、里宮は河口湖畔に移築された社殿で、国の重要文化財に指定されている美しい本殿が、拝殿・幣殿と一体的に建造された覆屋によって保護されています。春には約200本のソメイヨシノが咲き誇り、美しい景観を創り出します。

悠久の歴史と伝説

神社の創建は古く、富士山山中最古の神社と伝えられています。文献によると、人皇42代文武天皇の大宝3年(703年)に藤原義忠公が奉斎したのが始まりとされています。その後、幾度となく社殿の造営や修繕が行われ、武田信玄公も崇敬したと伝えられています。富士山噴火や地震などの災害にも耐え、人々の信仰によって守られてきた歴史が、社殿や境内、そして伝承に刻まれています。

武田信玄公とのゆかり

武田信玄公は、冨士御室浅間神社を深く崇敬し、社殿の修繕や造営に尽力したと伝えられています。甲府城と神社の門が南北に対向するように配置されたという逸話も残っており、信玄公の信仰の深さを物語っています。

神秘と畏敬の念を呼び覚ます奥宮

かつての本宮があった富士山二合目には、現在も石の祠が残り、年に一度祭事が行われています。この奥宮への参拝は、現代においても、富士山と神霊への畏敬の念を深く感じさせる特別な体験となるでしょう。

現代の冨士御室浅間神社

現在、里宮では年間を通して神事が行われ、多くの参拝者を迎えています。御朱印は本宮と里宮の二種類があり、月詣御朱印や祭日限定御朱印など、様々な種類が用意されています。また、結婚式や祈祷なども受け付けており、地域の人々の生活に密着した神社として、その役割を担っています。

アクセス

河口湖ICから車で約10分とアクセスも良好です。無料駐車場も完備されています。

まとめ

冨士御室浅間神社は、悠久の歴史と富士山という壮大な自然に抱かれた、神秘的な場所です。本宮と里宮、そして数々の伝説は、訪れる人々に深い感動と、神霊への畏敬の念を与えてくれるでしょう。ぜひ、一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 冨士御室浅間神社 – Wikipedia
[2] 【冨士御室浅間神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet
[3] 武田信玄公祈願所 富士山最古の神社 冨士御室浅間神社 文化財 国指定重要文化財 御朱印
[4] 冨士御室浅間神社/富士の国やまなし観光ネット 山梨県公式観光情報
[5] 神社の詳細|山梨県神社庁.

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