秋田県には、歴史と神秘に満ちた神社が数多く存在します。その中でも、ひときわ異彩を放つのが、大仙市と秋田市に鎮座する「古四王神社」です。今回は、この古四王神社の魅力に迫り、その歴史、伝説、そして隠されたミステリーに迫ってみましょう。
大仙市の古四王神社:国宝級の建築美
大仙市にある古四王神社は、その本殿が国指定重要文化財に指定されている、由緒ある神社です。室町時代末期、元亀元年(1570年)に、孔雀城主・冨樫左衛門太郎勝家が、飛騨の名工「甚兵衛」に造らせたと言われています。
本殿は、一間社入母屋造という形式で、和様、禅宗様、大仏様といった様々な様式が融合した、他に類を見ない独特の建築様式が特徴です。繊細で優美な彫刻と、荒削りな太い材木の堅牢な土台が調和し、繊細さと豪快さを兼ね備えた、まさに「奇中の奇、珍中の珍」(伊東忠太氏談)と呼ぶにふさわしい建築美を誇ります。 向拝正面の水引虹梁の菊唐草や、側面手挟の藤唐草の絵様繰形は、稀に見る傑作と評されています。 釘を一本も使わずに建てられたという伝説も、その技術の高さを物語っています。
古四王神社の伝説:勝負運アップのパワースポット?
古四王神社には、数々の伝説が残されています。その一つが、創建に関するものです。崇神天皇が四道将軍を派遣した際、高志国(北陸)へ向かった大彦命がこの地の大石に休憩し、村人がそれを畏敬して祠を奉ったという伝説です。 また、元亀元年(1570年)の戦乱の時代、社殿が焼失したという記録も残っており、その後の再建にもドラマが秘められています。
近年では、勝負運にご利益があるとされ、スポーツ選手やビジネスパーソンなど、様々な人々が参拝に訪れています。 北を向いているという珍しい配置も、その神秘性を高めています。
秋田市の古四王神社:秋田城と深く関わる歴史
秋田市にある古四王神社は、大仙市の古四王神社とは異なる歴史を持ちます。社伝によれば、崇神天皇の時代、四道将軍大彦命が蝦夷征討の際に武甕槌神を祀ったのが始まりとされ、その後、阿倍比羅夫が祖神である大彦命を合祀したと伝えられています。 秋田城の守護神として崇敬され、中世には古四王大権現として信仰を集めました。 境内には、坂上田村麻呂にまつわる伝説を持つ田村神社も鎮座しており、秋田の歴史と深く関わってきたことが伺えます。
謎多き古四王神社:未解明の謎
古四王神社には、未だ解明されていない謎も多く残されています。「古四王」という名称の由来や、各地に点在する「古四王神社」との関係性など、多くの研究者によって調査が続けられています。 これらの謎解きを通して、古四王神社のさらなる魅力が明らかになることが期待されます。
まとめ:秋田の神秘に触れる旅へ
秋田県の大仙市と秋田市に鎮座する古四王神社は、それぞれ異なる歴史と魅力を持つ、神秘的な神社です。 国宝級の建築美、勝負運アップのパワースポットとしての側面、そして未だ解明されていない謎など、多くの魅力が詰まった古四王神社を訪れて、秋田の歴史と文化に触れてみてはいかがでしょうか。 訪れる際には、歴史や伝説を事前に調べておくと、より一層深い感動を得られるでしょう。
関連リンク・参考文献
[1] 【秋田県大仙市】古四王神社とは?秋田県大仙市に密かに佇む重要文化財を詳しくご紹介
[2] 古四王神社 – Wikipedia
[3] 古四王神社 – SHINDEN
[4] 東大曲小学校 古四王神社|大仙市小中学校ホームページ(公式ホームページ)
[5] 古四王神社
[6] YouTube
[7] 古四王神社(秋田県秋田市) | 御朱印集め&神社仏閣巡り
[8] 古四王神社 (秋田市) : くぐる鳥居は鬼ばかり
[9] 神明社(秋田県秋田市添川) – 神が宿るところ