久留米水天宮:安産と伝説の椿、そして歴史の重み

福岡県久留米市に鎮座する久留米水天宮は、全国の水天宮の総本宮として知られています。創建は建久初年(1190年)と伝えられ、壇ノ浦の戦いの後、安徳天皇の母である高倉平中宮に仕えていた按察使局伊勢が、筑後川の辺りに逃れて祀ったのが始まりです。その後、慶安3年(1650年)に久留米藩二代藩主・有馬忠頼公によって現在の地に遷座されました。

歴史と伝説:

水天宮には、数々の歴史と伝説が息づいています。最も有名なのは、安徳天皇と玉江姫の恋物語です。壇ノ浦の戦いで入水したとされる安徳天皇ですが、この地へ逃れてきたという伝承があり、天皇と筑後の豪族の娘・玉江姫の恋物語が語り継がれています。この伝説から、椿が水天宮の御神紋となり、現在も境内には様々な種類の椿が植えられています。椿の開花時期には、境内は美しい花で彩られます。

また、勤王の志士として名高い真木和泉守も水天宮の神官でした。境内には彼の銅像と、謹慎時代を過ごした「山梔窩」の模式家屋が残されています。これらの史跡は、水天宮の歴史と、幕末の動乱期における久留米の重要な役割を物語っています。

さらに、水天宮は水にゆかりの深い神社として、河童伝説とも結びついています。筑後川流域には多くの河童伝説が残っており、水天宮もその舞台となっています。例えば、九千坊河童という、加藤清正に追われて久留米に来た河童が水天宮の守り神となり、領民を水害から守ると伝えられています。

見どころ:

  • 本殿: 全国水天宮の総本宮として威厳のある本殿。
  • 椿: 境内には様々な種類の椿が植えられており、特に2月~3月頃が見頃です。
  • 真木和泉守銅像と山梔窩: 幕末の志士、真木和泉守ゆかりの史跡。
  • 千代松神社: 水天宮創始者である按察使局伊勢を祀る神社。

アクセス:

JR久留米駅または西鉄久留米駅から徒歩約8分。駐車場も完備されています。

その他:

久留米水天宮は、安産祈願の神社としても有名です。多くの参拝客が、安産や子授けを祈願に訪れています。また、水難除けや子供の守護神としても信仰を集めています。

久留米水天宮は、歴史、伝説、自然が融合した魅力的な場所です。訪れる際には、これらの要素をじっくりと味わってみてください。 悠久の歴史と神秘的な伝説に彩られた久留米水天宮は、きっとあなたに忘れられない思い出を届けてくれるでしょう。

関連リンク・参考文献

[1] 『ミステリーツアー(筑後地方散策) 日帰りの旅』久留米(福岡県)の旅行記・ブログ by るりさん【フォートラベル】
[2] 水天宮(すいてんぐう)- 久留米市 | 福岡のかみさま
[3] 水天宮 | 久留米の観光スポット | 久留米公式観光サイト ほとめきの街
[4] なぜ河童なの!?|くるめのみりょく|久留米シティプロモーション
[5] 【23】「水天宮って久留米が総本宮なの・・椿って久留米が有名なの・・ていう話」 – 香舗 天年堂
[6] 天満宮と水天宮へ初詣 – 田園都市の風景から
[7] 名所旧跡/福岡の歴史
[8] くるめと安徳天皇伝説 | 久留米シティプラザ

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