茨城の神秘、大杉神社:夢を叶える「あんばさま」の物語

茨城県稲敷市阿波に鎮座する大杉神社は、別名「あんばさま」として親しまれ、関東地方を中心に広く信仰を集める神社です。767年(神護景雲元年)の創建と伝えられ、全国約670社ある大杉神社の総本社でもあります。豪壮な社殿は「茨城の日光東照宮」と称されるほど見事で、訪れる人を圧倒します。

由緒と伝説:海と山の神、そして天狗

大杉神社の主祭神は倭大物主櫛甕玉大神(やまとのおおものぬしくしみかたまのおおかみ)です。配祀神として大己貴大神(おおなむちのおおかみ)と少彦名大神(すくなひこのかみ)も祀られています。創建の伝説は、勝道上人が暴風雨の中、不動明王に祈願したところ、三輪明神(大物主神)が現れ、この地に導かれたというものです。その後、大己貴命と少彦名命が合祀されました。

古くは「安婆之島」と呼ばれたこの地は、かつては広大な内海「香取海」に面しており、大杉は航海の目印として信仰を集めていました。その後、内海が縮小し、河川交通の要衝となるにつれて、その信仰はさらに広がっていったと考えられています。

興味深いのは、天狗信仰との関わりです。文治年間(1185~1189年)、源義経の家臣であった常陸坊海尊が、大杉大明神の御神徳によって数々の奇跡を起こしたと伝えられています。海尊の容貌が天狗に似ていたことから、鼻高天狗(ねがい天狗)と烏天狗(かない天狗)が眷属として信仰されるようになりました。願い事を叶える神として、大杉神社は「日本唯一の夢むすび大明神」とも称されています。

境内社とご利益:多様な祈願に応える

大杉神社境内には、いくつかの末社が鎮座しています。金運にご利益があるとされる大国神社、競馬関係者や競馬ファンに人気の勝馬神社、そして子授けにご利益があるとされる相生神社など、様々な願いを叶えてくれるとされています。

現在でも、厄除け、八方除け、星除け、夢結び(恋愛成就、心願成就)、交通安全など、多くの参拝者が様々な願いを込めて訪れています。

アクセスと情報

大杉神社は、首都圏中央連絡自動車道稲敷ICから約15分の場所に位置しています。駐車場も完備されているので、車でのアクセスが便利です。公式ホームページやパンフレットなどで、詳細な情報を確認することができます。

まとめ:茨城の隠れたパワースポット

大杉神社は、歴史と伝説、そして神秘的な雰囲気に包まれた魅力的な神社です。雄大な自然と荘厳な社殿、そして様々なご利益は、訪れる人々に深い感動を与えてくれるでしょう。茨城を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

関連リンク・参考文献

[1] <大杉神社>「夢叶え」「夢むすび」の大明神|鹿嶋・霞ヶ浦のおすすめ観光・レジャースポットなら旅色
[2] あんばさまとは? | あんばさま総本宮「大杉神社」| 日本唯一の「夢叶え大明神」

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