埼玉県所沢市の中氷川神社:歴史と神秘に包まれた武蔵國三氷川の一つ

埼玉県所沢市山口にある中氷川神社は、古くから人々の信仰を集めてきた由緒ある神社です。武蔵國三氷川の一つとして知られ、その歴史と神秘的なエピソードは、多くの参拝者を魅了し続けています。

歴史と由緒:

中氷川神社は、古代出雲族が関東開拓の拠点として崇敬した氷川神を祀る神社として創建されました。東京都奥多摩の奥氷川神社、さいたま市の一の宮氷川神社と共に「武蔵國三氷川」と呼ばれ、その名の通り、三つの神社は氷川信仰の中心地として重要な役割を果たしてきました。中氷川神社はその位置から「中」の字を冠しています。

延喜式神名帳にも記載されており、武蔵國造の崇敬も厚かったことが伺えます。中世には入間郡と多摩郡にまたがる92ヶ村の総鎮守として、山口城主、豊臣秀吉、徳川幕府からも尊崇を受け、旧県社の社格を賜りました。

さらに、山口貯水池の湖底に沈んだ旧勝楽寺村(朝鮮半島から渡来した百済・高麗人の居住地と伝えられる)の七社神社を合祀しており、多様な歴史と文化が融合した神社と言えるでしょう。

GHQと臨時新嘗祭:

敗戦後の昭和20年11月25日、GHQの高官が全国の神社の中から中氷川神社を選び、臨時新嘗祭を視察しました。宮内省雅楽部の奏楽と浦安舞が奉納されたこの祭事は、戦後の神社界の命運を左右する重要な出来事だったと言われています。この出来事からも、中氷川神社が当時いかに重要な存在であったかが分かります。

見どころ:

約3500坪の広大な狭山丘陵の杜に鎮座する本殿は、大社造銅板葺の壮麗な建物です。その神聖な雰囲気は、訪れる人々の心を深く癒してくれるでしょう。境内には、兼務社である浅間神社(荒幡富士)や天満天神社、奉仕社である愛宕権現社なども存在し、散策するだけでも歴史を感じることができます。

御祭神とご利益:

中氷川神社の御祭神は、素戔嗚命、稲田姫命、大己貴命、そして七社大神です。厄除開運、良縁縁結び、子授け安産、農商工業の繁栄など、幅広いご利益があるとされています。

アクセス:

西武狭山線下山口駅から徒歩15分。豊かな自然に囲まれた静かな場所に位置し、都会の喧騒を忘れさせてくれる癒やしの空間です。

まとめ:

中氷川神社は、長い歴史と数々のエピソード、そして神秘的な雰囲気を持つ、魅力的な神社です。所沢を訪れた際には、ぜひ足を運んで、その歴史と神聖な空気に触れてみてください。 きっと、忘れられない体験となるでしょう。

関連リンク・参考文献

[1] 中氷川神社 – くにたまの会
[2] 中氷川神社 | 埼玉県の神社

By ando