紀伊国一之宮 伊太祁曽神社:木の神と悠久の歴史

和歌山県和歌山市伊太祈曽にある伊太祁曽神社は、紀伊国一宮として知られる由緒ある神社です。主祭神は五十猛命(いたけるのみこと)で、古くから「木の神」として信仰を集めてきました。境内には、神聖な雰囲気漂う本殿や脇殿、そして歴史を感じさせる数々の建造物が存在します。

基本情報

  • 所在地: 和歌山県和歌山市伊太祈曽558
  • 祭神: 五十猛命(いたけるのみこと)、大屋都比賣命(おおやつひめのみこと)、都麻津比賣命(つまつひめのみこと)
  • 社格: 式内社(名神大社)、紀伊国一宮、旧官幣中社、神社本庁別表神社

木の国神話の舞台

伊太祁曽神社は、日本書紀に記される「木の国神話」の舞台として知られています。神話によると、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の子である五十猛命は、多くの樹木の種を携え、国中を緑豊かにしたと伝えられています。そして、その活動の最後にこの地に鎮座したとされています。境内には、かつては樹齢800~1000年にも及ぶ巨木があったとされ、その一部は現在も残されています。昭和37年の落雷で枯れてしまったこの御神木は、今でも「木の俣くぐり」として、災難除けの信仰を集めています。

歴史と伝説

伊太祁曽神社の歴史は古く、具体的な初見は「続日本紀」の文武天皇大宝2年(702年)に遡ります。しかし、それ以前からこの地で信仰されていたと推測されています。かつては、現在の日前神宮・國懸神宮の社地にあったとされ、その後、現在の場所に移転したという説もあります。また、旧社地とされる「亥の森」には小さな祠があり、毎年旧暦十月初亥日に「亥の森祭」が行われています。

神社の創建や変遷については不明な点も多いですが、古くは現在の日前宮の地に鎮座し、その後、山東(現在の伊太祈曽)へ遷座したとされています。延長5年(927年)に編纂された『延喜式神名帳』では名神大社に列し、紀伊国一宮とされています。

見どころ

  • 一の鳥居・二の鳥居: 風格ある木製鳥居は、木の神を祀る神社らしい趣があります。
  • 割拝殿: 独特の造りの拝殿は、神聖な空間を演出しています。
  • 本殿・脇殿: 五十猛命とその妹神である大屋都比賣命、都麻津比賣命を祀る本殿と脇殿は、厳かな雰囲気に包まれています。
  • 御井社: 神聖な湧き水がある御井社も、見逃せないスポットです。
  • ときわ山古墳群: 神社の近くには、古代の古墳群も存在し、歴史の深さを物語っています。

主な祭事

  • 卯杖祭: 毎年1月15日に行われる、独特の祭事。
  • 木祭り: 4月に行われる、木への感謝を捧げる祭事。チェンソーアートの奉納など、現代的な要素も取り入れられています。
  • 茅輪祭: 夏に行われる、茅輪をくぐることで無病息災を祈願する祭事。
  • 例祭: 9月15日に行われる、神社の例祭。

三社参り

和歌山市内には、日前神宮・國懸神宮、竈山神社、そして伊太祁曽神社の4社があり、これら4社を巡拝することを「三社参り」と呼びます。それぞれの神社には独自の特色があり、巡拝することで、より深い信仰体験を得ることができます。

アクセス

JR和歌山駅から和歌山電鐵貴志川線に乗り、「伊太祈曽駅」で下車。駅から徒歩約5分です。

伊太祁曽神社は、歴史と神秘に満ちた、魅力的な神社です。和歌山を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 紀の国の由来をたどる 〜伊太祁曽神社と木祭り〜 | わかやま歴史物語
[2] YouTube
[3] 伊太祁曽神社 | 和歌山電鐵
[4] 紀伊國一之宮~木の神・伊太祁曽神社 | 自然派のブログ
[5] 伊太祁曽神社 – Wikipedia
[6] 和歌山県 (和歌山市)伊太祁曽神社 | みぞかつのぶらり散歩
[7] オススメの社寺⑨ 紀伊国一宮 伊太祁曾神社|キキ
[8] 伊太祁󠄀曽神社 : 関西の主な巡礼地

[9] 御由緒 << 伊太祁曽神社

By ando

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