御香宮神社:伏見の酒と歴史が香る、安産祈願の聖地

京都市伏見区に鎮座する御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)。伏見の氏神として、古くから人々の信仰を集めるこの神社は、その歴史と魅力に満ちた物語を秘めています。

基本情報

  • 正式名称: 御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)
  • 所在地: 京都市伏見区御香宮門前町174
  • アクセス: 近鉄京都線「桃山御陵前駅」、京阪本線「伏見桃山駅」から徒歩約5分
  • 主祭神: 神功皇后(じんぐうこうごう)、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)、応神天皇(おうじんてんのう)など
  • ご利益: 安産、子育て、開運厄除け

香り高い水の伝説と清和天皇

御香宮神社の社名の由来は、平安時代貞観四年(862年)に境内で香りの良い水が湧き出したという伝説に遡ります。この霊水は「御香水(ごこうすい)」と呼ばれ、飲むと病気が治癒したと伝えられ、清和天皇より「御香宮」の名を賜ったと言われています。現在も境内には御香水が湧き出ており、環境省の名水百選にも選ばれています。

豊臣秀吉と伏見城の鬼門除け

天下統一を成し遂げた豊臣秀吉は、伏見城築城の際に御香宮神社を城内の鬼門除けとして勧請し、社領を与えたと伝えられています。現在も境内には、桃山文化を彷彿とさせる壮麗な社殿や、小堀遠州ゆかりの枯山水庭園が残っており、当時の面影を偲ばせてくれます。

徳川家康と伏見城大手門

関ヶ原の戦い後、徳川家康は御香宮神社を元の地に戻し、現在の本殿を造営しました。さらに、水戸徳川家の初代当主・徳川頼房が伏見城の大手門を拝領し、神社の表門として寄進したという歴史も持ちます。この表門は重要文化財に指定されており、見事な彫刻が施された桃山時代の建築様式を今に伝えています。

鳥羽伏見の戦い

幕末の鳥羽伏見の戦いでは、御香宮神社は薩摩軍の屯所となりましたが、幸いにも戦火を免れました。当時の社務日誌には、御神体・御神宝を安全な場所に避難させた記録が残されています。

安産祈願と戌の日

神功皇后は、妊娠中にも関わらず朝鮮半島に出兵し、無事帰還後に応神天皇を出産したという伝説から、御香宮神社は安産祈願の神社として広く信仰を集めています。特に戌の日は、多くの妊婦さんが安産祈願に訪れます。

伏見祭(花傘祭)

毎年10月上旬に行われる神幸祭は、「伏見祭」または「花傘祭」とも呼ばれ、神輿や花傘、獅子などが練り歩く盛大な祭りです。各町内から趣向を凝らした花傘が奉納され、夜には幻想的な雰囲気に包まれます。

その他見どころ

  • 伏見城跡出土遺物展示室:伏見城の発掘調査で出土した瓦などが展示されています。
  • 絵馬堂:猿曳と猿の伝説を描いた絵馬などがあります。

まとめ

御香宮神社は、歴史、伝説、そして美しい自然が調和した、魅力あふれる神社です。伏見の酒造りにまつわる歴史や、安産祈願の聖地としての役割、そして華やかな伏見祭など、見どころ満載です。京都を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 御香宮 – 京都十六社 朱印めぐり
[2] 御香宮神社-京都市伏見区
[3] 御香宮神社 (京都府 京都市 伏見区) 2024 | みぞかつのぶらり散歩
[4] 501 Not Implemented
[5] 御香宮神社|【京都市公式】京都観光Navi
[6] 御香宮神社 – Wikipedia
[7] 御香宮神社 | 京阪グループ
[8] 御香宮神社|そうだ 京都、行こう。
[9] 御香宮神社 - 安産・子育ての社
[10] 御香宮神社
[11] 私の心のふるさと 御香宮神社(ごこうぐうじんじゃ):京都市伏見区 | 祈祷師の孫 ひろのりが紹介する神社巡りの記憶
[12] 御香宮神社 | 車椅子で行く神社仏閣・パワースポットの旅

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