関東一社 桐生西宮神社:織都桐生の発展と福の神信仰

群馬県桐生市宮本町に鎮座する桐生西宮神社は、兵庫県西宮市の西宮神社から分霊勧請された、関東唯一の直系分社です。「関東一社」の称号を誇るこの神社は、明治34年(1901年)10月に創建されました。その歴史と魅力を紐解いていきましょう。

基本情報

  • 所在地: 群馬県桐生市宮本町2丁目1番1号
  • 主祭神: 蛭子大神(ひるこおおかみ)
  • 例祭: 11月19日~20日(桐生えびす講)
  • その他: 美和神社の境内社として鎮座。

織都桐生とえびす信仰

桐生は古くから織物で栄えた町です。関ヶ原の戦いで徳川家康軍の軍旗を短期間で製作したことで名声を高め、全国から技術者が集まるようになりました。しかし、様々な土地から来た人々の文化や習慣の違いから、町がまとまらないという問題も発生しました。

そこで、当時の旦那衆(経営者)たちは、町を一つにまとめるため、福の神であるえびす様信仰を推進することにしました。江戸時代末期には、桐生から西宮神社へ参拝する人が増え、明治時代には大火災を乗り越え、更なる発展を祈念して、西宮神社からえびす様の霊を分霊勧請することを決意しました。

「関東一社」の称号と479円の奇跡

熱心な桐生の願いを受け、西宮神社は分霊を許可しました。分霊費用30円、許可費用50円など、総費用479円で「関東一社」が誕生したのです。しかし、神社の建設には更なる費用が必要でした。町の人々の寄付金だけで社殿を建立し、えびす講を開催する資金を調達したというエピソードは、先祖たちの独立自尊の精神を示しています。

桐生えびす講:20万人以上の参拝客が集まる盛大な祭り

毎年11月19日と20日に行われる桐生えびす講は、商売繁盛や家内安全を願う20万人以上の参拝客で賑わいます。神楽、えびす太鼓、福まき、桐生からくり人形芝居など、様々な催しが行われ、町全体が活気に満ち溢れます。2024年には、西宮神社の十日えびすで行われる福男選びを男女別で開催するなど、新たな試みも行われています。

伝説とミステリー

えびす様は、古事記に登場する神様です。生まれたときから足腰が立たないという障害を持っていたにも関わらず、葦の舟に乗って大海を漂い、西宮の浜辺にたどり着いたという伝説があります。この奇跡的な物語は、困難を乗り越える力強さと、希望の象徴として人々に受け継がれています。

まとめ

桐生西宮神社は、単なる神社ではなく、織都桐生の歴史と人々の信仰、そして奇跡的な物語が凝縮された場所です。訪れる人々に、商売繁盛や家内安全のご利益だけでなく、困難を乗り越える力強さと希望を与えてくれるでしょう。 ぜひ、一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 桐生えびす講〜桐生西宮神社 – 行ってみよう桐生
[2] https://kiryu-ebisu.jp/history/sample-history2/
[3] ゑびす講(桐生西宮神社) – 見どころ、開催情報、アクセス & 周辺情報 | GOOD LUCK TRIP
[4] 桐生西宮神社 – Wikipedia
[5] https://kiryu-ebisu.jp/history/sample-history1/
[6] 桐生西宮神社の御朱印・アクセス情報(群馬県西桐生駅)|ホトカミ
[7] 桐生西宮神社 | おみえのいろは
[8] https://kiryu-ebisu.jp/history/sample-history3/
[9] 関東一社 桐生西宮神社 – 神社・仏閣 / 桐生市 – ぐんラボ!

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