大阪市北区に鎮座する大阪天満宮は、学問の神様として知られる菅原道真公を祀る神社です。その歴史は古く、平安時代以前からこの地には「大将軍社」という神社があり、都の守護神として祀られていました。
創建の伝説:七本の松と金色に輝く梢
菅原道真公は、延喜元年(901年)に太宰府へ左遷される途中、大将軍社に立ち寄り、旅の無事を祈願したと伝えられています。その後、道真公が亡くなると、都では疫病が流行したり、清涼殿に雷が落ちたりするなど、天変地異が続きました。人々はこれを道真公の怨霊によるものと信じ、鎮魂を願うようになりました。
そして、道真公が参拝した大将軍社の前に、一夜にして七本の松が生え、夜毎にその梢が金色に輝いたという不思議な現象が起こりました。この出来事を聞いた村上天皇は、道真公の霊を祀るため、天暦三年(949年)に社殿を創建し、それが現在の大阪天満宮のはじまりです。大将軍社は現在も摂社として境内西北に鎮座しており、元旦最初の神事は、大将軍社で行われ、「租(そ)」と呼ばれる家賃のようなものが奉納されるという、興味深い習わしがあります。
大阪天満宮と牛:縁起の良い動物
境内には多くの牛の像を見ることができます。これは、道真公が丑年生まれであったことや、道真公の遺言により牛が遺骸を運んだという伝承に由来しています。牛は天神信仰において「神のお使い」として大切にされ、縁起の良い動物とされています。
何度も焼失と再建:大阪人の強い信仰
大阪天満宮は、江戸時代だけでも七度もの火災に見舞われましたが、その度に大阪の人々の強い信仰によって再建されてきました。現在の本殿は天保十四年(1843年)に再建されたものです。この何度も繰り返された再建劇は、大阪天満宮と大阪の人々の深い結びつきを示す、感動的なエピソードと言えるでしょう。
天神祭:火と水の壮大な祭礼
毎年7月24日、25日に行われる天神祭は、日本三大祭の一つとして知られる、大阪を代表する夏祭りです。神輿渡御や船渡御、そして夜空を彩る花火は、圧巻の光景です。その起源は、創建から間もない頃に始まった神事であり、豊臣秀吉の時代には船渡御が盛んになり、難波の繁栄の象徴として発展していきました。
七不思議:ミステリアスな魅力
大阪天満宮には、七本の松の伝説以外にも、様々な不思議な話が伝わっています。例えば、酉年の絵がない方位盤や、境内にある「星合の池」での七夕まつりなど、ミステリアスな魅力も大阪天満宮を彩っています。これらの伝説や不思議な現象は、人々の信仰心を深め、大阪天満宮をより神秘的な場所としています。
その他
- 天満宮の周辺には、天神橋筋商店街など、活気あふれるエリアが広がっています。
- 天神祭以外にも、「てんま天神梅まつり」など、様々なイベントが開催されています。
- 学業成就を祈願する参拝客も多く、受験シーズンには「通り抜け参拝券」が配布されます。
大阪天満宮は、歴史、伝説、そして祭礼と、多くの魅力を兼ね備えた神社です。訪れる際には、これらの情報を参考に、より深く大阪天満宮の世界に触れてみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 501 Not Implemented
[2] 501 Not Implemented
[3] センチメンタル ジャーニー 大阪天満宮 梅 『七本松伝説』
[4] 501 Not Implemented
[5] 大阪天満宮~学問だけじゃない!日本文化を発展させた天神様の本当の凄さ~|神社専門メディア 奥宮-OKUMIYA-
[6] 大阪天満宮を何度も再建した大阪人の心意気/カルチャーVol.12 | ええやん!大阪商店街 特設サイト|大阪府商店街魅力発見サイト
[7] 大阪天満宮界隈 前編|村瀬先生のぶらり歴史歩き|eo光チャンネル【eo光テレビの関西地域情報11ch】