三重県度会郡大紀町滝原に鎮座する瀧原宮と瀧原竝宮。伊勢神宮内宮の別宮として、古くから「大神の遙宮」と呼ばれ、深い信仰を集めてきた二つの社です。その歴史と神秘に満ちた魅力を紐解いていきましょう。
基本情報
- 所在地: 三重県度会郡大紀町滝原
- 祭神: 瀧原宮・瀧原竝宮ともに天照坐皇大御神御魂(あまてらしますすめおおみかみのみたま)
- 由緒: 伊勢神宮内宮の別宮であり、内宮よりも古い歴史を持つとされる説も存在します。倭姫命が天照大神の御魂を祀る地を求めて巡幸した際、最初に宮殿を建てた場所と伝えられています。その後、現在の内宮へと遷座されましたが、瀧原宮は天照大神を祀る重要な別宮として存続しています。瀧原宮には天照大神の和魂(にぎみたま)、瀧原竝宮には荒魂(あらみたま)が祀られているとされています。
- 境内: 約44ヘクタールの広大な神域には、樹齢数百年を超える杉の巨木が立ち並ぶ約600メートルの参道が続いています。瀧原宮と瀧原竝宮の社殿は並んで建ち、その規模はほぼ同じです。境内には、御船倉(みふなくら)と呼ばれる、古い御船代(みふなしろ)を納める建物も存在します。これは、瀧原宮の特徴の一つであり、他の別宮には見られないものです。また、若宮神社、長由介神社、川島神社といった瀧原宮の所管社も境内内に鎮座しています。
謎と伝説
瀧原宮の創建時期は定かではありませんが、古くは「磯宮」と呼ばれていた可能性も指摘されています。倭姫命の巡幸に関する伝承では、宮川の流れの速さに困惑した倭姫命を、真名胡神(まなこのかみ)が助け、この地を「大河の瀧原の国」と紹介したとされています。この真名胡神を祀る多岐原神社は、瀧原宮から約6キロメートル離れた場所に位置し、倭姫命の感謝の気持ちを表すように建立されたと伝えられています。
また、瀧原宮のご祭神について、神宮では天照坐皇大御神御魂とされていますが、『倭姫命世記』には速秋津日子神(はやあきつひこのかみ)と速秋津比売神(はやあきつひめのかみ)と記されている点も謎の一つです。これは、天照大神の兄姉にあたる神々であり、その解釈については諸説あります。
さらに、瀧原宮の東側に位置する若宮神社の祭神も不明瞭であり、天水分神(あめのみくまりのかみ)という伝説が残されています。これらの謎めいた点は、瀧原宮の歴史と信仰の深さを物語っています。
参拝
瀧原宮は、手水舎の代わりに清らかな谷川の水で身を清めて参拝します。参道の巨木や、境内にある様々な建造物、そして静寂に包まれた神域の雰囲気は、訪れる者に深い感動を与えてくれます。
周辺情報
瀧原宮周辺には、自然豊かな景観が広がり、ハイキングや自然散策を楽しむことができます。また、近くの道の駅「奥伊勢 木つつき館」では、地元の特産品などを購入することもできます。
まとめ
瀧原宮・瀧原竝宮は、伊勢神宮の別宮として、その歴史と神秘的な雰囲気で多くの参拝者を魅了しています。古くからの伝承や謎めいた点、そして自然豊かな環境は、訪れる者に忘れられない体験を与えてくれるでしょう。 この地を訪れ、悠久の歴史と神秘に触れてみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 瀧原宮・瀧原竝宮 | 【公式】大紀町観光協会 | 大紀町観光・旅行情報サイト
[2] 瀧原宮 – Wikipedia
[3] 瀧原宮・瀧原竝宮 (改定) | かむながらのみち ~天地悠久~
[4] 瀧原竝宮(たきはらのならびのみや)
[5] 瀧原宮(たきはらのみや)
[6] 【瀧原宮・瀧原竝宮】成り立ちの不思議いろいろ|神宮の謎解き話 | にこみいるのQOL同好会
[7] 内宮別宮 瀧原宮の謎 | ReubenFan
[8] YouTube