福井県敦賀市に鎮座する氣比神宮は、北陸道総鎮守、越前国一宮として知られる由緒ある神社です。地元では「けいさん」と親しみを込めて呼ばれ、古くから人々の信仰を集めてきました。2000年以上の歴史を誇り、『古事記』や『日本書紀』にもその名が登場する格式高い社です。
基本情報
- 所在地: 福井県敦賀市曙町
- 主祭神: 伊奢沙別命(いざさわけのみこと)他6柱
- 社格: 式内社(名神大社)、越前国一宮、旧官幣大社、神社本庁別表神社
- 創建: 伝承では第14代仲哀天皇8年
見どころと伝説
1. 日本三大木造鳥居の一つ: 氣比神宮の大鳥居は、高さ10.9メートルを誇り、奈良春日大社、広島厳島神社の鳥居と並ぶ日本三大木造鳥居の一つとして知られています。寛永年間(1624~1645年)に佐渡国鳥居ヶ原から伐採された榁樹(むろのき)を用いて1645年に建立され、昭和20年の敦賀空襲で多くの社殿が焼失する中、奇跡的に戦火を免れたという逸話も持ちます。現在、国の重要文化財に指定されています。
2. 気比の松原と白鷺の伝説: 氣比神宮の境内には、かつて広大な松原が広がり、それは静岡・三保の松原、佐賀・虹の松原と並ぶ「日本三大松原」の一つ「気比の松原」として知られていました。伝説によれば、天平20年(748年)、異国船襲来の際に、敦賀の浜辺に数千本の松が突如出現し、梢には白鷺が群れ集まりました。賊船はこれを大軍の軍旗と見誤り、退散したと言われています。白鷺は氣比大神の神使とされ、この伝説は氣比神宮と敦賀の深い結びつきを示しています。
3. 神秘の聖地「土公」: 境内には「土公(どこう)」と呼ばれる小丘があり、これは陰陽道における神の名で、氣比神宮の聖地とされています。社伝によれば、氣比神はこの土公に降臨したとされ、社殿造営以前は土公を神籬として祭祀が行われていました。最澄や空海も当地で祈祷を行ったという伝承も残ります。聖別されているため、詳細は明らかになっていませんが、その神秘的な雰囲気は多くの参拝者を魅了します。
4. 敦賀の地名の由来: 氣比神宮境内にある角鹿神社は、敦賀の地名の由来にまつわる伝説が残されています。古事記には、角のある人物「都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)」が船でこの地を訪れたという記述があり、その人物にちなんで「角鹿(つぬが)」と呼ばれ、それが転じて「敦賀」になったという説があります。
5. 著名な人物との関わり: 最澄や空海といった高僧も氣比神宮を訪れ、祈祷を行ったと伝えられています。また、『平家物語』や『義経記』にも氣比神宮が登場し、木曾義仲や源義経が参拝したと記されています。これらの歴史的事実や伝説は、氣比神宮が古くから朝廷や武士、民衆に深く信仰されていたことを示しています。
その他: 氣比神宮では、年間を通して様々な祭事が行われています。特に「氣比の長祭」は、敦賀の秋の風物詩として知られています。また、境内には長命水など、パワースポットも点在しています。
氣比神宮は、歴史、伝説、神秘的な雰囲気を併せ持つ、魅力あふれる神社です。福井県を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 福井県敦賀市「氣比神宮」徹底ガイド!歴史・ご利益・パワースポット・周辺グルメやお土産情報まで。|福井の旬な街ネタ&情報ポータル 読みもの ふーぽ
[2] 氣比神宮 – Wikipedia
[3] YouTube
[4] 氣比神宮|おすすめの観光スポット|【公式】福井県 観光/旅行サイト | ふくいドットコム
[5] 気比神宮の 禁足地: 越天楽
[6] 福井県神社庁|氣比神宮
[7] 福井・敦賀「氣比神宮」“三大松原”と“三大鳥居”の伝説 | ORICON NEWS
[8] 福井・敦賀「氣比神宮」“三大松原”と“三大鳥居”の伝説 | 福井県 | トラベルjp 旅行ガイド
[9] けいさんの愛称で親しまれる 「気比(けひ)神宮」・・・・北陸道の総鎮守 – 気ままな旅
[10] 氣比神宮 (福井県 敦賀市) | みぞかつのぶらり散歩