大阪府和泉市尾井町に鎮座する古府神社。延喜式内社に数えられ、古くから地域の人々に親しまれてきた神社です。その歴史と神秘に迫ってみましょう。
基本情報
- 名称: 古府神社(ふるふじんじゃ)
- 所在地: 大阪府和泉市尾井町198
- 祭神: 武速素戔嗚大神(たけはやすさのおのおおかみ)
- 旧社格: 村社
- アクセス: JR阪和線北信太駅下車、徒歩約10分
創建は謎に包まれたまま…二つの説が交錯する社名「古府」の由来
古府神社の創建年代は詳らかではありません。しかし、その名前「古府」には、二つの興味深い説が存在します。
一つは、神功皇后が三韓征伐の帰途に滞在したとされる「小竹の宮」の跡地であるという説。神功皇后ゆかりの地というロマンあふれる説話です。もう一つは、和泉国府が現在の府中町に移転する以前の旧国府跡に由来するという説。歴史の移り変わりを物語る、重厚な説話です。どちらの説が正しいのか、あるいは両方の要素が混ざり合っているのか、今も謎に包まれたままです。
江戸時代の棟札が語る、疫病除けの信仰
平成17年の拝殿新築工事の際、江戸時代の棟札が発見されました。そこには「氏神牛頭天皇」の墨書銘が。牛頭天王は、インドの祇園精舎の守護神で、日本では素戔嗚神と習合し、疫病除けの神として信仰されてきました。この発見は、古府神社が古くから地域の人々の健康と安全を守る信仰の場であったことを示唆しています。
白狐の化石?若宮社の不思議な伝承
境内社である若宮社には、「白狐化石」が祀られています。漁師に追われた白狐が、石に化けて身を隠したという伝説が残されています。昭和22年に現在の場所に祀られる以前は、街道沿いにあったと伝えられています。この石は、古府神社の歴史と、人々の信仰の深さを象徴する存在と言えるでしょう。
謎多き古府神社、その魅力は尽きない
創建年代、社名の由来、白狐の伝説…。古府神社には、多くの謎と魅力が詰まっています。静かな住宅街に佇む古府神社を訪れ、歴史と神秘に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。 静かに佇むその姿は、長い歴史と人々の信仰の重みを静かに物語っているようです。
関連リンク・参考文献
[1] 大阪府神社庁のホームページ
[2] 舊府神社 – Wikipedia
[3] 旧府神社
[4] 旧府神社
[5] 旧府神社 (大阪府和泉市尾井町) – 神社巡遊録