大阪府堺市西区に鎮座する石津太神社(いわつたじんじゃ)。古くからの歴史と、独特の祭事「やっさいほっさい」で知られるこの神社の魅力に迫ります。
基本情報
- 所在地: 大阪府堺市西区浜寺石津町中4丁
- 祭神: 蛭子命(ひるこのみこと)、八重事代主命(やえことしろぬしのみこと)、天穂日命(あめのほひのみこと)を主祭神とし、天照大神、建御名方富命を配祀。
- 旧社格: 村社
- アクセス: 南海本線「石津川駅」から徒歩
日本最古の戎社? 謎めく創建と伝承
石津太神社は、延喜式内社であり、「日本最古の戎社」を称しています。その歴史は古く、社伝によれば、孝昭天皇7年(紀元前469年)に創建されたと伝えられています。
創建の物語は、海に流された蛭子命(ひるこのみこと)が、この地に漂着したという伝説に始まります。蛭子命は、持っていた五色の神石をこの地に置き、この地を「石津」、船が着いた場所を「石津の磐山」と名付けたと言われています。この五色の神石は、現在も神社の鳥居前の交差点にある石の下に埋まっているとされ、神社の御神体とされています。
この伝説は、石津太神社が「日本最古の戎社」と称される所以であり、古くからの信仰の深さを物語っています。しかし、式内社「石津太神社」の論社は石津太神社と堺区石津町の石津神社の二社あり、どちらが真の式内社であるかは定かではありません。両社とも最古の戎社を名乗っており、歴史的な謎めいた部分も魅力の一つです。
「やっさいほっさい」:泉州の奇祭
毎年12月14日に行われる「やっさいほっさい」は、石津太神社の最も有名な祭事です。蛭子命が漂着した際に、村人が薪で火を焚いて暖めたという故事に由来する火渡りの神事です。
神木を積み上げた「とんと」に火をつけ、村人から選ばれた「戎さん」が担ぎ上げられ、「やっさいほっさい」の掛け声とともに火渡りを行います。エビス信仰と修験道が融合した独特の祭事は、「泉州の奇祭」として知られ、その迫力と神秘的な雰囲気は多くの観光客を魅了しています。燃え残った薪を持ち帰ると厄除けになるとも言われています。
豊臣秀吉とのかかわり
豊臣秀吉は、大阪城築城の際に石津太神社を裏鬼門の鎮守神として崇敬し、社殿の再建にも貢献したと伝えられています。このことから、石津太神社が、歴史上重要な人物とも深く関わってきたことがわかります。
歴史と神秘が織りなす聖地
石津太神社は、長い歴史と数々の伝説、そして独特の祭事「やっさいほっさい」を持つ、魅力あふれる神社です。訪れる人々に、歴史と神秘、そして温かい人々の信仰を感じさせる、特別な場所と言えるでしょう。 境内には、江戸時代の社殿や、古木など、歴史を感じさせる建造物や自然も残されています。ぜひ一度、訪れてその魅力を体感してみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 石津太神社 [大阪府]-人文研究見聞録
[2] 石津太神社
[3] 石津太神社 (大阪府堺市西区浜寺石津町中) – 神社巡遊録
[4] 石津太神社|スポット|堺観光ガイド
[5] 石津太神社のやっさいほっさい 堺市
[6] 大阪府神社庁のホームページ
[7] 石津太神社
[8] 石津太神社 – Wikipedia
[9] 【石津太神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet
[10] 石津神社 | かむながらのみち ~天地悠久~
[11] 『奇祭 火の中を人が・・・やっさいほっさい フォートラベル初であろう!!』堺(大阪)の旅行記・ブログ by bakanekoさん【フォートラベル】
[12] 石津太神社 堺市西区浜寺石津町