宮城県塩竈市本町に鎮座する御釜神社(おかまじんじゃ)。鹽竈神社の境外末社として、ひっそりと佇むその境内には、古より伝わる神秘と歴史が息づいています。
基本情報
- 所在地: 宮城県塩竈市本町6-1
- 祭神: 鹽土老翁神(しおつちおじのかみ)※『宮城県神社名鑑』では、鹽土老翁神・奥津彦神・奥津姫神の三柱とする説も。
- 創建: 不明
- 社格: 鹽竈神社境外末社
「塩竈」の起源と四口の神釜
御釜神社の最大の特徴は、境内にある四口の神釜です。これは、鹽土老翁神が海水を煮て製塩する方法を人々に教えた際に用いたと伝えられる、鹽竈神社の神器とされています。「塩竈」という地名の由来も、この神釜にあるとされる説が有力です。
この神釜は、直径1メートル以上もある巨大な釜で、地面に埋められ、水が張られています。驚くべきことに、どんな天候でも水が溢れることも干上がることもなく、常に一定の水位を保つと言われています。さらに、世に異変が起こる際には、水の色が変化して人々に知らせるという伝説も残されています。 江戸時代に編纂された『塩竈町方留書』にも、この釜の水の変化による占いの記述が見られます。
この四口の神釜は、「日本三奇」の一つに数えられており、その神秘性から多くの参拝者を惹きつけています。境内では、初穂料100円で神釜を拝観することができます。(拝観時間にご注意ください。)
藻塩焼神事:受け継がれる古代製塩の技
毎年7月4日から6日にかけて行われる「藻塩焼神事」は、御釜神社の重要な神事です。これは、鹽竈神社例祭の神饌を調進する特殊神事であり、古代より続く製塩の技術を受け継いでいます。この神事は、御釜神社が鹽竈神社において特別な位置づけにあることを示しています。
歴史の謎:鹽竈神社との関係
御釜神社と鹽竈神社の関係については、諸説あります。ある説では、鹽竈神社は元々は御釜神社の地に鎮座しており、仙台藩初代藩主の伊達政宗によって現在地に移されたとされています。しかし、この説は必ずしも定説ではありません。
静寂に包まれた神秘空間
鹽竈神社の賑わいとは対照的に、御釜神社は静寂に包まれた空間です。住宅街の中にひっそりと佇むその姿は、古の神秘を秘めた聖域であることを感じさせます。
御釜神社を訪れて
御釜神社は、歴史と神秘に満ちた小さな神社です。四口の神釜や藻塩焼神事など、見どころも多く、塩竈を訪れた際にはぜひ足を運んで、その神秘に触れてみてください。 ただし、神釜の拝観時間や藻塩焼神事の開催時期など、事前に確認することをお勧めします。
関連リンク・参考文献
[1] 御釜神社 クチコミ・アクセス・営業時間|多賀城・塩釜・利府【フォートラベル】
[2] 【御釜神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet
[3] 御釜神社 – Wikipedia
[4] 日本三奇のひとつ、未来を予知する「四口の神釜」の神秘 / 宮城県 | ロケットニュース24
[5] 御釜神社 | 心の癒し~神社・仏閣・御陵巡り~