富士山東口本宮冨士浅間神社:1200年以上の歴史を刻む霊峰の守り神

静岡県駿東郡小山町須走に鎮座する東口本宮冨士浅間神社は、富士山須走口(東口)登山道の起点に位置する由緒ある神社です。古くから富士山信仰の拠点として崇敬を集め、現在も多くの参拝者で賑わっています。

基本情報

  • 社名: 東口本宮冨士浅間神社(ひがしぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ)
  • 所在地: 静岡県駿東郡小山町須走126番地
  • 主祭神: 木花咲耶姫命、大己貴命、彦火火出見命
  • 旧社格: 県社
  • 創建: 大同2年(807年)
  • アクセス: 御殿場駅から富士急行バスで約20分、「須走浅間神社前」下車。東名高速道路御殿場ICから車で約20分。

歴史と伝説:噴火と鎮火の祈願

神社の創建は、延暦21年(802年)の富士山東麓噴火に遡ります。激しい噴火と地震に恐れおののいた人々は、鎮火を祈願するため、現在の社地に祭祀を行いました。翌年4月初旬、噴火が収まったことから、その鎮火を感謝し、大同2年(807年)に社殿が造営されたと伝えられています。この創建から2025年現在で1218年の歴史を誇ります。 この鎮火の伝説は、神社の由緒を語る上で重要なエピソードであり、人々の信仰の深さを物語っています。

境内と見どころ:自然と歴史が融合する空間

境内は豊かな自然に囲まれ、杉の巨木や様々な草花が四季折々の美しい景色を織りなしています。多くの野鳥が生息しており、静寂の中で鳥のさえずりを聞くこともできます。 また、約80基残る富士講の石碑は、古くからの富士山信仰の歴史を今に伝えています。

特に注目すべきは、町天然記念物の「根上がりモミ」と県天然記念物の「ハルニレ」の木です。根上がりモミは、その独特の姿から縁結びの木として親しまれています。ハルニレは、古くから人々に愛されてきたシンボルツリーです。さらに、新東名高速道路トンネル工事で採掘された「貫通石」が奉納されており、これもまた見どころの一つです。境内には、江戸時代からの富士講に関する資料などを展示する資料館もあります。

御利益と参拝

東口本宮冨士浅間神社は、良縁成就、子授け、安産祈願、子育て、交通安全など、幅広いご利益があるとされています。 参拝者は、静寂な森の中で、自然と歴史に包まれた神聖な空間を体感することができます。 オリジナル御朱印帳や富士山をあしらった御守りなど、魅力的なアイテムも数多く用意されています。

富士山の構成資産として世界遺産に登録

2013年、富士山が世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として登録された際、東口本宮冨士浅間神社も構成資産の一つとして登録されました。これは、神社が富士山信仰において重要な役割を果たしてきた証であり、その歴史的価値を世界的に認められたことを意味します。

まとめ

東口本宮冨士浅間神社は、1200年以上の歴史と豊かな自然、そして富士山信仰の歴史が凝縮された聖地です。 富士山登山の起点としてだけでなく、静寂の中で自然と歴史に触れ、心安らぐ時間を過ごしたい方にとって、おすすめの場所と言えるでしょう。 ぜひ一度、訪れてみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 東口本宮冨士浅間神社 – Wikipedia
[2] 富士山東口本宮 冨士浅間神社/ハローナビしずおか 静岡県観光情報
[3] 富士山東口本宮 冨士浅間神社[駿東郡小山町]|静岡新聞アットエス
[4] 冨士浅間神社 – 静岡県神社庁
[5] 【冨士浅間神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet

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