葛飾八幡宮:千年の歴史とミステリアスな伝説

千葉県市川市八幡にある葛飾八幡宮は、平安時代の寛平年間(889~898年)に宇多天皇の勅願により創建された由緒ある神社です。京都の石清水八幡宮を勧請し、下総国総鎮守として崇敬を集めてきました。地元では「はちまんさま」と親しまれ、厄除開運、必勝、安産、育児守護の神として信仰されています。

歴史と由緒ある建造物

  • 創建と歴代崇敬者: 千年の歴史を誇る葛飾八幡宮は、平将門、源頼朝、太田道灌、徳川家康といった歴史上の人物からも篤く信仰されてきました。源頼朝は社殿の改築を行い、徳川家康は御朱印地社領52石を寄進するなど、その尊信は深く、歴史の舞台裏を垣間見ることができる重要な場所です。
  • 国指定天然記念物「千本公孫樹」: 推定樹齢1200年の巨木で、多くの幹が寄り添って支え合う姿は圧巻です。江戸名所図会にも記録されており、縁結びや育児守護のご利益があると伝えられています。白蛇が棲むという伝説もあり、神秘的な雰囲気を醸し出しています。
  • 県指定有形文化財「元亨の梵鐘」: 寛政5年(1793年)に境内のケヤキの大樹の株根から出土したとされる梵鐘。銘文から創建年代や社殿の位置などがわかります。応永28年(1421年)の刻銘の意味については諸説あり、謎めいた部分も魅力です。
  • 市指定有形文化財「随神門」: 明治維新以前は天台宗上野寛永寺の末寺、八幡山法漸寺の仁王門でしたが、神仏分離により葛飾八幡宮の随神門となりました。

伝説とミステリー

  • 「八幡の藪知らず」: 葛飾八幡宮に隣接する「八幡の藪知らず」は、一度入ると二度と出られないという神隠し伝説が残るミステリアスな場所です。現在ではその規模は縮小していますが、かつては鬱蒼とした森が広がり、迷路のような構造をしていたと伝えられています。この伝説は、現在でもお化け屋敷や迷路を「藪」と呼ぶ語源になったと言われています。不知森神社の御朱印は葛飾八幡宮で受け付けています。
  • 源頼朝公駒どめの石: 源頼朝が下総国府に向かう途中に立ち寄り、戦勝祈願をした際に馬を繋いだという伝説の石。八幡三不思議の一つとされています。

境内社と祭り

葛飾八幡宮境内には、厳島社、葛飾天満宮、尾上稲荷社、八坂社、浅間社(富士塚)など、様々な境内社が祀られています。境内社を巡るのも、この神社の魅力の一つです。

毎年9月15日から20日にかけて行われる「八幡のぼろ市」は、かつて関東三大農具市の一つに数えられるほど盛況だった農具市です。また、33年毎に行われる「三十三周年式年大祭」は、大規模な祭りとして知られています。

アクセス

JR総武線・都営地下鉄新宿線「本八幡駅」から徒歩約8分、京成本線「京成八幡駅」から徒歩約5分とアクセスも良好です。

葛飾八幡宮は、歴史、伝説、自然が融合した魅力的な神社です。訪れる際には、千年の歴史とミステリアスな伝説に思いを馳せながら、静寂と神聖な空気に包まれた時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

関連リンク・参考文献

[1] 【市川市】家康も参拝した市川の総社、葛飾八幡宮の魅力を地元民が紹介【神社仏閣】 – DotChiba(ドットちば)
[2] 葛飾八幡宮 — 世田谷から神社とお寺とお散歩と
[3] 葛飾八幡宮公式ウェブサイト
[4] 市川市・ “葛飾八幡宮”へ&”八幡の藪知らず” | オム・テウンが好き!みーこのスクラップノート(^o^)/
[5] 下総国総鎮守 葛飾八幡宮(しもうさのくにそうちんじゅ かつしかはちまんぐう)|八幡・菅野エリア|いちかわエリア情報|市川市の不動産なら慶和住宅|新築戸建て・中古戸建・土地・不動産売却|総武線市川駅3分!
[6] 八幡の藪知らず 入ったらダメ!の禁足地に行ってみた!! : 御朱印の森
[7] 八幡さまに導かれて 葛飾風土記(2)
[8] 葛飾八幡宮|関東武士の信仰を集めた下総国総鎮守の八幡様
[9] 緑豊かな、心安らぐ場所を守っていきたい/葛飾八幡宮 宮司 持田篤史さん | マチノコエ
[10] 源頼朝公駒どめの石|源頼朝が深く崇敬した葛飾八幡宮
[11] 八幡・菅野界隈 | 市川市公式Webサイト
[12] 葛飾八幡宮(千葉県 市川市) | 美しい神社☆再訪したくなる神社

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