桐生天満宮:昇運の貴龍と織都桐生の歴史を紡ぐ

群馬県桐生市に鎮座する桐生天満宮は、関東五大天神の一つとして知られる由緒ある神社です。その歴史は古く、社伝によれば71~130年、景行天皇の時代に天穂日命を祀る神社として創建されたと伝えられています。その後、南北朝時代の観応年間(1350年頃)に、京都の北野天満宮の御分霊を合祀し、「桐生天満宮」と改称。桐生領五十四ケ村の総鎮守として、地域の人々から篤く信仰されてきました。

歴史と伝説:

創建当初は「磯部明神」と呼ばれ、平安時代の「上野国神名帳」にも記載されているほど格式の高い神社でした。中世には桐生氏の崇敬を受け、社殿の修復や社領の安堵が行われました。現在の社殿は安永7年(1778)に起工、寛政5年(1793)に落成したもので、本殿・幣殿・拝殿が一体となった権現造り。極彩色の彫刻が施され、群馬県指定重要文化財に指定されています。その精巧な彫刻は、まるで日光東照宮を思わせるほどの見事さです。本殿正面には「桐生」の語源とも伝わる「貴龍」の彫刻が施されているのも見どころの一つです。

関ヶ原の戦いの際、徳川家康が軍旗の絹を奉納して戦勝祈願したという逸話も残っており、このことが桐生織物の繁栄の礎となったと言われています。また、江戸時代には徳川家の祈願所でもあったそうです。

見どころと魅力:

  • 群馬県指定重要文化財の社殿: 極彩色の彫刻が施された美しい社殿は必見です。
  • 貴龍の彫刻: 「桐生」の語源にまつわる伝説が残る彫刻。
  • 毎月第一土曜日に開催される古民具骨董市: レトロな家具やブリキのおもちゃなど、掘り出し物が見つかるかもしれません。
  • 境内にある機神神社: 附指定の国重要文化財に指定されている建物。
  • かつて存在した太鼓橋: 現在では通行できませんが、歴史を感じさせる遺構です。
  • 縁結びのパワースポット: 枝垂桜や牛石の伝説など、縁結びにまつわる話も伝わっています。神前結婚式も執り行われています。

アクセス:

JR両毛線「桐生駅」より徒歩25分、またはタクシーで5分。

その他:

桐生天満宮周辺には、重要伝統的建造物群保存地区である桐生新町など、歴史的な建造物が多く残されています。神社を訪れた際には、周辺の散策も合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。 また、近隣には桐生からくり人形芝居館もあり、江戸時代のからくり人形を見ることができます。桐生天満宮と桐生新町は深い関わりがあり、かつては天満宮の祭礼の際にからくり人形が上演されていたそうです。

桐生天満宮は、歴史と文化、そして信仰が深く根付いた場所です。学業成就のご利益があるとされているため、受験生にも人気のスポットとなっています。ぜひ、一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 由緒・歴史 – 桐生天満宮公式ホームページ
[2] 桐生天満宮
[3] 昇運の貴龍天神「桐生天満宮」 | こにの神社参詣記
[4] 桐生天満宮 – 見どころ、アクセス & 周辺情報 | GOOD LUCK TRIP
[5] 501 Not Implemented
[6] 【国重文】桐生天満宮 その1 | センム♪のブログ~食わずに死ねるか?
[7] 【群馬】桐生天満宮で叶える格式高い神前式|歴史ある縁結びスポットで挙げる伝統的な結婚式 – 縁結び大学
[8] https://www.kiryucci.or.jp/html/20_tayori/kiryu_kikou/pdf/34_1305tayori-P1.pdf

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