栃木県真岡市の大前神社:歴史と伝説に彩られた古社

基本情報

大前神社(おおさきじんじゃ)は、栃木県真岡市東郷に鎮座する由緒ある神社です。延喜式内社に数えられ、旧社格は県社。大国主大神(だいこく様)と事代主大神(えびす様)を主祭神とし、健康、縁結び、開運など多くの御神徳があるとされています。創建は神護景雲年間(767~770年)と伝えられ、1500年以上の歴史を誇ります。境内には、桃山時代末期に造られた極彩色の彫刻が施された本殿(国指定重要文化財)がひときわ目を引きます。また、境内には高さ20mの日本一大きな恵比寿像が建つ大前恵比寿神社など、多くの境内社も存在します。

水と深く関わる神社

大前神社は、五行川沿いに位置し、古くからこの地は湿地帯で洪水が多かったと言われています。そのため、神社の歴史には水にまつわる数々のエピソードが残されています。例えば、五行川で釣った禁制の鯉を捌いたことから怪奇現象が発生し、その呪縛を解くための供養が行われたという伝説があります。現在でも、鯉は神使として神聖視され、神職は鯉を食べない伝統を守っています。境内にある恵比寿像も、懐に鯛ではなく鯉を抱えているのが特徴です。本殿や拝殿の彫刻にも、鯉や龍など水に関連するモチーフが多く見られます。境内は五行川に沿って南北に長く伸びる参道が特徴的で、川の形状に合わせて緩やかにカーブを描いています。

平将門と大前神社

承平5年(935年)、平将門は承平天慶の乱を起こす前に、大前神社で戦勝祈願を行い、五行川で身を清めたと伝えられています。この伝説は、神社と将門、そしてこの地の歴史を深く結びつけています。

装飾性の高い社殿

大前神社の本殿と拝殿は、国の重要文化財に指定されています。特に本殿は桃山時代の建造で、極彩色の彫刻が施され、その豪華絢爛な姿は多くの参拝者を魅了します。拝殿は江戸中期の建造で、本殿とは独立して建てられた後、屋根が繋がった構造となっています。成田山新勝寺三重塔にも関わった職人が携わったという説もあり、その装飾性の高さは、当時の北関東における寺社建築の隆盛を物語っています。

その他の見どころ

  • 日本一えびす様(大前恵比寿神社): 高さ20mの巨大な恵比寿像は、宝くじ当選のご利益があるとされ、多くの参拝者を集めています。
  • おもかるこい: 賽銭箱の前に置かれた2匹の鯉の石像。持ち上げて軽いと感じたら願いが叶うと言われています。
  • 神楽: 例大祭に奉納される神楽は真岡市の文化財に指定されており、だいこくえびす舞、天狐白狐の舞、天の岩戸舞などから構成されます。
  • 骨董市: 毎月第二日曜日に境内周辺で開催される骨董市も、大前神社を訪れる際の楽しみの一つです。

大前神社は、歴史、伝説、そして美しい社殿と、見どころ満載の神社です。ぜひ一度、訪れてみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 大前神社 / 栃木県真岡市 | 御朱印・神社メモ
[2] 大前神社 – Wikipedia
[3] 大前神社(おおさきじんじゃ) « 栃木県神社庁
[4] 大前神社
[5] 「大前神社と鯉の話」(栃木県真岡市) | ほげほげと – 楽天ブログ
[6] 御朱印お授かりしました!⛩11th Season卍 大前神社参拝。

By ando