奈良県吉野郡東吉野村に鎮座する丹生川上神社は、古来より水神信仰の中心地として知られる由緒ある神社です。単一の神社ではなく、上社(川上村)、中社(東吉野村)、下社(下市町)の三社から構成され、それぞれが独立した神社として存在しながらも、一体として「丹生川上神社」を形成しています。
基本情報
- 所在地: 奈良県吉野郡東吉野村(中社)
- 主祭神: 罔象女神(みづはのめのかみ) – 水に関する一切を司る神様。イザナミノミコトの尿から生まれたとされる。
- 創建: 伝承では白鳳4年(675年)、天武天皇の御神教による創建とされています。
- 社格: 式内社(名神大社)、二十二社(下八社)の一社。旧官幣大社、現在は神社本庁の別表神社。
歴史と伝説
丹生川上神社は、天武天皇の時代、神宣によって創建されたと伝えられています。天武天皇は、吉野の深山に宮を建て、天下泰平と甘雨を祈願したとされています。その後、祈雨・止雨の神として朝廷から厚い崇敬を受け、延喜式には名神大社に列せられました。平安時代中期以降は、祈雨の神として「二十二社」の一つにも数えられました。
『日本書紀』には、神武天皇が大和を平定する際に、この地で戦勝祈願を行い、厳瓮(御神酒を入れる瓶)を夢淵に沈めたという伝説が記されています。お酒に酔った鮎が流れ出たことから勝利を占ったとされ、このことから鮎と厳瓮は神社のシンボルとなっています。
戦国時代以降は、神社の所在地が不明となり、明治・大正時代に調査が行われ、現在の三社が確認されました。三社はそれぞれ独立した神社として運営されていますが、氏子の気持ちを受け継ぎ、三社合わせて「丹生川上神社」として祭祀が行われています。
神秘とパワースポット
丹生川上神社中社には、多くのパワースポットが存在します。
- 夢淵: 神武天皇が戦勝祈願を行ったとされる、高見川、日裏川、四郷川の三川が合流する深い淵。エメラルドグリーンの美しい水は、神聖な雰囲気を醸し出しています。
- 東の瀧(龍神の瀧): 龍神が棲むとされる滝。龍玉に願い事を書いて投げ入れると、願いが叶うと言われています。
- 丹生の真名井: 罔象女神の力と恩恵を受けた御神水。お賽銭を納めると、釣瓶で御神水をいただくことができます。
また、中社境内には、鎌倉時代の弘長4年(1264年)銘の石灯籠(重要文化財)など、歴史的な建造物も数多く残されています。
絵馬発祥の地
丹生川上神社は、絵馬発祥の地の一つとも伝えられています。祈雨や止雨の際に馬を奉納したことが、絵馬の起源になったと言われています。
アクセス
丹生川上神社中社へのアクセスは、公共交通機関ではやや不便です。車でのアクセスがおすすめです。
まとめ
丹生川上神社は、歴史と神秘に満ちた、訪れる人の心を癒す聖地です。美しい自然と歴史的な建造物、そしてパワースポットの数々を体感し、水の女神・罔象女神の霊験を肌で感じてみてください。 特に、夢淵と東の瀧は、訪れるべきパワースポットです。 忘れずに、摂社である丹生神社にも参拝しましょう。
関連リンク・参考文献
[1] 丹生川上神社 中社 | 東吉野村観光協会
[2] 元官幣大社 龍神総本宮 丹生川上神社上社
[3] 丹生川上神社 – Wikipedia
[4] 〈東吉野村〉清流流れる奈良の山奥に鎮まる“日本最古の水の神”『丹生川上神社中社』 | 奈良の地域密着型・総合情報サイト Narakko!(奈良っこ)
[5] 奈良・水の神様を祀るパワースポット!「丹生川上神社中社」 | ORICON NEWS
[6] 古代史オタクが行く奈良2泊3日の旅~高見の郷・丹生川上神社・玉列神社日帰りバスツアー編~|バス観光マガジン
[7] 丹生川上神社の爺婆石と水の女神 – 神秘と感動の絶景を探し歩いて Beautiful superb view of Japan
[8] 神社について – 丹生川上神社公式サイト
[9] 丹生川上神社中社のパワースポット!は夢淵と東の瀧!!セットで丹生神社(本宮)も。奈良県 | 下川友子オフィシャルブログ「パワースポットへいこうっ♫」Powered by Ameba