千葉県船橋市三山に鎮座する二宮神社。その歴史は古く、平安時代初期の創建と伝えられています。弘仁年間(810~823年)には嵯峨天皇の御勅創によるものだったという説も。延喜式神名帳には「千葉郡二座」の一座として「寒川神社」と記載されており、これが現在の二宮神社であると考えられています。鎌倉時代には既に「二宮社」と呼ばれていたことが、乾元2年(1302年)に鋳造された鐘の銘文から判明しています。近郷23ヶ村の総鎮守として、長きに渡り人々の信仰を集めてきた由緒ある神社なのです。
祭神と御利益
二宮神社には、建速須佐之男命、櫛稲田比売命、大国主命、そして全国的にも珍しい藤原時平命など、複数の神々が祀られています。そのため、安産、厄除けなど、多岐に渡る御利益があるとされています。特に藤原時平命は、平安時代の政治家として知られており、その縁から、学業成就や出世のご利益を願う参拝者も多いようです。
見どころと魅力
四季折々の美しい参道、風格ある社殿、そして神々しい御神木など、境内には見どころが満載です。社殿は船橋市指定有形文化財に指定されており、その荘厳な姿は訪れる人の心を惹きつけます。また、境内には、船橋市指定有形文化財である「斎藤園女等奉納句額」も存在し、歴史の深さを物語っています。
下総三山の七年祭
二宮神社は、550年以上の歴史を持つ「下総三山の七年祭」の中心的な役割を担っています。丑年と未年に、船橋、習志野、八千代、千葉の4市9つの神社の神輿が二宮神社に集結するこの祭りは、千葉県指定無形民俗文化財にも指定されており、その賑やかさと神聖な雰囲気は、多くの見物客を魅了します。正月三が日には約6万人の参拝者で賑わうほどの人気ぶりです。
アクセスとその他
JR総武線津田沼駅から京成バスまたは習志野新京成バスで約20~30分。車の場合は京葉道路から約20~30分とアクセスも良好です。静かな住宅街に位置し、都会の喧騒を忘れさせてくれる、落ち着いた雰囲気も魅力の一つです。 近年では、ご当地キャラクター「ふなっしー」のお守りも登場し、若い世代にも親しまれています。ただし、ペット同伴での参拝は、参拝者多数のため控えるように呼びかけられています。
二宮神社は、歴史と伝統、そして静寂と賑やかさを兼ね備えた、魅力あふれる神社です。船橋を訪れた際には、ぜひ足を運んで、その神聖な空気に触れてみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 七年大祭で有名 厳かな雰囲気で人気「二宮神社」 | 船橋市・八千代市のおすすめ初詣スポット! 新年に行くならココ【2025年】| まいぷれ[船橋市]
[2] 二宮神社 | 船橋市観光協会