三重県伊勢市中村町に鎮座する月讀宮(つきよみのみや)は、伊勢神宮皇大神宮(内宮)の別宮として、古より人々の信仰を集めてきた神秘的な神社です。主祭神は月読尊(つきよみのみこと)。天照大御神の弟神であり、月を司る神として知られています。
基本情報
- 所在地: 三重県伊勢市中村町742-1
- 祭神: 月読尊、月読尊荒御魂、伊弉諾尊、伊弉冉尊
- アクセス: 近鉄五十鈴川駅から徒歩約10分、三重交通外宮・内宮循環バス「中村町」下車徒歩5分
- 開門時間: 季節によって変動あり(例:1月~4月 5:00~18:00、5月~8月 5:00~19:00)
神話の息吹と歴史の重み
月讀宮は、延暦23年(804年)以前の創建と伝えられています。古くから月読社として存在し、『続日本紀』には、光仁天皇の時代に伊勢の月読神が祟ったという記述があり、その鎮魂のため、月読尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)が官社に列せられたとされています。
境内には、月讀宮の他に、月読尊の荒魂を祀る月讀荒御魂宮、伊弉諾尊を祀る伊佐奈岐宮、伊弉冉尊を祀る伊佐奈弥宮の三社が並び、合わせて「月読四宮」と呼ばれています。これらの社殿が横一列に並ぶ様は、壮観で神々しい雰囲気を醸し出しています。特に、2014年の神宮式年遷宮では、内宮の遷御の約1年後に行われた遷御は、多くの参拝者にとって忘れられない出来事となりました。
謎めいた伝承と興味深いエピソード
月読尊は、天照大神、素戔嗚尊と共に三貴子の一柱とされ、月の神としてだけでなく、農耕や暦にも深く関わるとされています。 月読宮と、外宮別宮の月夜見宮は、どちらも月読尊を祀る神社ですが、その由来や分祀された理由については、いまだ謎に包まれています。 また、月読宮の境内には、五穀豊穣の神を祀る葭原神社も鎮座しており、豊かな自然と信仰が深く結びついている様子が伺えます。
さらに、2014年に解体された月讀荒御魂宮の古材は、火災で本殿を焼失した栃木県足利市の八雲神社に譲渡されたというエピソードも、月讀宮の歴史に彩りを添えています。
参拝のポイント
月讀宮では、月讀宮→月讀荒御魂宮→伊佐奈岐宮→伊佐奈弥宮の順に参拝するのが一般的です。静寂に包まれた境内をゆっくりと散策し、神聖な空気に触れてみてください。 また、神宮司庁(0596-24-1111)に問い合わせることで、より詳しい情報を得られるでしょう。
まとめ
月讀宮は、神話のロマンと歴史の重み、そして現代に受け継がれる信仰が感じられる、魅力的な神社です。伊勢神宮を訪れた際には、ぜひ足を運んで、神秘的な月の世界に触れてみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 月讀宮・月讀荒御魂宮・伊佐奈岐宮・伊佐奈彌宮〈皇大神宮(内宮)別宮〉〉 – Shrine-heritager
[2] 月読宮(皇大神宮別宮) | 公益社団法人 伊勢市観光協会
[3] 伊勢神宮別宮「月讀宮」の不思議 – 昔に出会う旅
[4] 月讀宮(三重県 伊勢市) | 美しい神社☆再訪したくなる神社
[5] 私たちの暮らしにも深く関わる?夜を統べる月の神!月読命(ツクヨミ) 【日本の神さま】 | 株式会社アミナコレクション
[6] 【月読宮】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet
[7] 皇大神宮別宮 月読宮(伊勢神宮 内宮) | スポット・体験 | 伊勢志摩観光ナビ – 伊勢志摩観光コンベンション機構公式サイト
[8] 月讀宮 – Wikipedia
[9] 月讀宮(皇大神宮 別宮) [三重県]-人文研究見聞録