基本情報
静岡県富士宮市に鎮座する富士山本宮浅間大社は、富士山信仰の中心地として知られる由緒ある神社です。式内社(名神大社)、駿河国一宮であり、旧社格は官幣大社、神社本庁の別表神社に列せられています。主祭神は木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)、別称浅間大神で、富士山そのものが神体山とされています。本宮は富士宮市宮町に、富士山頂上には奥宮が鎮座し、世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産として登録されています。
歴史と伝説
社伝によれば、創建は第11代垂仁天皇3年(紀元前27年)。富士山の大噴火を鎮めるため、浅間大神が山足の地に祀られたのが始まりとされています。その後、景行天皇の時代には日本武尊が山宮で浅間大神を奉斎。大同元年(806年)には坂上田村麻呂が、富士山の豊富な湧水と噴火を鎮める水徳を重視し、現在の地に社殿を建立、遷座したと伝えられています。
鎌倉時代には源頼朝が富士山麓で巻狩りをした後、浅間大社に参拝し流鏑馬を奉納したとされ、現在も5月4日~6日に流鏑馬祭が執り行われています。江戸時代には徳川家康の庇護を受け、本殿などの造営が行われ、富士山八合目以上の支配権も認められました。
ミステリーと裏話
富士山本宮浅間大社には、いくつかのミステリアスな要素も存在します。例えば、境内にある湧玉池は、富士山の溶岩層から湧き出る伏流水が池となったもので、国の特別天然記念物に指定されています。中世以降、富士山登山者はここで禊をしてから登拝したとされ、神聖な場所として崇められてきました。
また、富士山麓には人穴という溶岩洞穴があり、江ノ島に通じるとの伝説や、探検中に死亡した武将の伝承など、多くの謎に包まれた場所として知られています。現在では人穴浅間神社の境内となっていますが、その歴史と神秘性は多くの人の興味を引きつけています。
さらに、社殿は関ヶ原の戦後、徳川家康によって造営されたもので、全国でも珍しい「浅間造」と呼ばれる二階建て構造が特徴です。本殿は国の重要文化財に指定されており、その建築様式や装飾にも注目が集まります。
見どころ
- 本宮: 朱色の鮮やかな社殿、国の重要文化財に指定されている本殿、桜の名所として知られる境内など、見どころ満載です。
- 湧玉池: 富士山の伏流水が湧き出る神秘的な池。清らかな水と周囲の自然が織りなす風景は、訪れる人の心を癒します。
- 流鏑馬祭: 迫力満点の流鏑馬は、歴史と伝統を感じさせる貴重な体験です。
- 奥宮: 富士山頂上に位置する奥宮は、特別な許可を得て登拝することができます。
アクセス
JR身延線富士宮駅から徒歩約10分。新東名高速道路新富士ICからもアクセス可能です。
まとめ
富士山本宮浅間大社は、歴史、伝説、ミステリーが凝縮された、魅力あふれる神社です。富士山信仰の聖地としてだけでなく、神秘的な雰囲気と美しい自然に包まれた場所として、多くの人々を魅了し続けています。ぜひ一度、訪れてみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 富士山麓随一のミステリースポット、人穴 | 静岡・浜松・伊豆情報局
[2] 富士山の神社:富士山本宮浅間大社
[3] 富士山構成資産「富士山本宮浅間大社」の評価と考察 | 芸術教養学科WEB卒業研究展 | 京都芸術大学通信教育課程
[4] 富士山本宮浅間大社 – Wikipedia
[5] 富士山本宮浅間大社 | 株式会社レイライン
[6] 富士山本宮浅間大社/富士の国やまなし観光ネット 山梨県公式観光情報