早馬神社:安産・子授けのご利益と、鎌倉武士の影

宮城県気仙沼市唐桑町に鎮座する早馬神社は、歴史と神秘に満ちた神社です。古くから「早馬さん」「権現様」と呼ばれ、地域の人々に親しまれてきました。その歴史は鎌倉時代まで遡り、数々の物語を秘めています。

由緒と御利益

建保5年(1217年)、鎌倉幕府御家人、梶原景時の兄である梶原景実(専光坊良暹)によって創建されました。景実は源頼朝公の命を受け、北条政子の安産祈願を行い、二代将軍源頼家公の誕生に貢献したと伝えられています。このことから、早馬神社は安産・子授けのご利益があるとされ、古くから多くの信仰を集めてきました。

近年では、安産・子育てだけでなく、受験、仕事、家庭生活など、万事が「早くうまくいく」御神徳があるとされ、幅広い層から信仰されています。「早馬」という名前からも、その願いが感じられます。

里宮と奥宮、そして壮大な景色

早馬神社には、里宮と奥宮があります。里宮は宿浦湾の入り江に位置し、「森は海の恋人」で有名な舞根の豊かな自然に囲まれています。一方、奥宮は早馬山の山頂に鎮座し、太平洋を一望できる絶景が広がります。里宮と奥宮を巡ることで、異なる魅力を味わうことができます。奥宮へは、近くのレジャー施設「漁火パーク」から約20分の登山が必要です。

梶原景時ゆかりの神社

早馬神社は、鎌倉時代の武将、梶原景時ゆかりの神社でもあります。景時の兄である景実が創建したという歴史から、境内には景時に関する説明看板が設置され、特別御朱印も頒布されています。鎌倉時代末期の動乱や、梶原一族の栄枯盛衰といった歴史的背景も、この神社の神秘性を高めています。

東日本大震災からの復興

東日本大震災では、早馬神社も大きな被害を受けました。しかし、地域の人々の努力によって復興を果たし、現在も人々の信仰を集め続けています。震災からの復興の様子は、神社のFacebookページ「気仙沼、唐桑の人びと 早馬神社からの手紙」で発信されています。

七五三詣も盛んな神社

近年では、七五三詣の参拝者も多く訪れるようになりました。境内には七五三参拝記念看板やベンチも設置され、家族連れでも安心して参拝できます。御祈祷では、お札、お守り、千歳飴、勉強かるた、お菓子セット、自由帳などの授与品が用意されています。

アクセス

三陸自動車道「唐桑半島IC」から車で約15分とアクセスも良好です。広い駐車場も完備されているため、車での参拝が便利です。ただし、県道26号線は道幅が狭いため、国道45号唐桑半島入口からのアクセスが推奨されています。

早馬神社は、歴史、自然、そして人々の信仰が織りなす、魅力あふれる場所です。気仙沼を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 早馬神社/宮城県気仙沼市唐桑町 -はやまじんじゃ-
[2] 早馬神社 – Wikipedia
[3] 早馬神社/宮城県気仙沼市唐桑鎮座/宮司挨拶
[4] 子育てに御神徳のある「早馬神社」の七五三詣の特徴&境内の見どころを紹介|宮城県
[5] 宮城県神社庁

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