大分県大分市に鎮座する柞原八幡宮は、豊後国一の宮として知られる由緒ある神社です。平安時代初期の天長4年(827年)、延暦寺の僧侶・金亀和尚が宇佐神宮で神託を受け、宇佐神宮の分霊を勧請したことが起源と伝えられています。古くから宇佐神宮の別宮として崇敬され、大友氏をはじめとする歴代領主や武家からも厚い信仰を集めてきました。
見どころ満載の境内
荘厳な雰囲気漂う参道は、杉の木立に囲まれ、神聖な空気が感じられます。境内には、国の天然記念物にも指定されている樹齢約3000年のクスノキの巨木がそびえ立ち、その圧倒的な存在感は訪れる者を魅了します。また、樹齢約400年のホルトの木も存在し、悠久の時を感じさせます。
安政年間に再建された本殿は、宇佐神宮を模した八幡造りで、その美しい姿は必見です。特に、1866年(慶応2年)に再建された南大門は圧巻です。精緻な彫刻が施され、龍や花、鳥、聖人などが生き生きと表現されており、「日暮しの門」とも呼ばれ、一日中見ていても飽きないと言われています。
境内に2ヶ所ある「幸運の扇石」は、扇形をした石を踏んで願い事をすると叶うという言い伝えがあり、多くの参拝者が訪れます。
歴史と伝説、そしてミステリー
柞原八幡宮の歴史は古く、数々の伝説や逸話が残されています。創建に関する金亀和尚の物語や、33年ごとに社殿を造営する「式年遷宮」が行われていたことなど、歴史の重みを感じさせます。また、かつて「八幡由原宮」「由原宮」「賀来社」などと呼ばれていたことなど、その歴史の深さを物語っています。
さらに、仲哀天皇、応神天皇、神功皇后を祀ることから、勝運や出世開運、家内安全、厄除け、交通安全など、幅広いご利益があるとされています。これらの神々との関わりや、境内にある巨木や扇石など、神秘的な要素も魅力の一つです。
年間行事
柞原八幡宮では、年間を通して様々な祭事が行われています。正月三が日には宝物館の拝観や福引き、神楽、日本舞踊などが予定されており、賑やかな雰囲気の中で新年を迎えることができます。その他、歳旦祭、祈年祭、例大祭、水無月の大祓式、夏越祭、仲秋祭、浜の市、新嘗祭、七五三など、季節の移ろいを感じさせる行事も数多く開催されています。
アクセス
JR西大分駅から車で約10分、またはJR大分駅前⑦のりばから大分交通「柞原」行きバスに乗車し、約35分、終点下車後徒歩5分(階段約180段)です。駐車場も完備されています。
まとめ
歴史と自然、そして神秘が融合した柞原八幡宮は、訪れる人々に深い感動を与えてくれる場所です。雄大な自然に囲まれた境内を散策し、歴史を感じ、そして神々のご加護を感じてみてはいかがでしょうか。 四季折々の美しい景色も魅力の一つですので、何度訪れても新たな発見があるでしょう。
関連リンク・参考文献
[1] 大分市/柞原八幡宮
[2] 柞原八幡宮 – おおいた市観光ナビ OITA CITY TOURIST NAVI
[3] 旅サラダPLUS|朝日放送
[4] 【柞原八幡宮(ゆすはらはちまんぐう)】(大分県大分市) | 八百万の神の浮世絵師 持田大輔