行田八幡神社:忍城下の守り神、そして「封じの宮」の神秘

埼玉県行田市に鎮座する行田八幡神社は、歴史と神秘に満ちた神社です。約千年の歴史を誇り、数々の出来事を経て現在の姿に至っています。今回は、その歴史、伝説、そして独特の「封じの宮」としての側面に迫ります。

基本情報

  • 御祭神: 誉田別尊(応神天皇)、気長足姫尊(神功皇后)、比売大神、大物主神、神素盞鳴尊
  • ご利益: 安産、子育て、交通安全、学業成就、開運厄除、病気平癒、身体健全、健康長寿、厄除け、除災、商売繁盛、特に「封じの宮」として、癌封じ、ぼけ封じ、虫封じ、眼病平癒にご利益があるとされています。
  • 所在地: 埼玉県行田市行田16-23
  • アクセス: JR高崎線吹上駅から朝日バスで16分「新町一丁目」下車 徒歩約10分、秩父鉄道行田市駅から徒歩8分

源頼義・義家と奥州征伐

口碑によると、源頼義と源義家が奥州征伐の際にこの地に陣を張り、戦勝祈願のために勧請されたと伝えられています。この伝説は、神社の創建時期が定かでない中、古くからの歴史を感じさせる重要なエピソードです。

忍城と深い関わり

天文年間には現在の地に移され、忍城主・成田長泰公によって城下総鎮守とされました。以来、「城主八幡」や社殿の向きから「西向き八幡」とも呼ばれ、歴代城主の尊崇を集めてきました。忍城の歴史と深く結びついていることが伺えます。特に、石田三成による忍城水攻めの際には、戦略的に重要な位置にあったとされています。

幾度もの火災と再建

元和、宝永、弘化の各年間に行田町を襲った大火により、幾度も社殿を焼失する災禍に見舞われました。しかし、その度に再建され、現在の社殿は皇紀2650年を記念して平成元年11月に竣工したものです。この歴史は、地元の人々の強い信仰と、神社の存続への強い意志を示しています。

「封じの宮」としての神秘

行田八幡神社は「封じの宮」として知られ、癌封じ、ぼけ封じ、虫封じ、眼病平癒などの祈願が秘法として継承されています。「虫封じ」は、子供の夜泣きなどに効果があるとされ、多くの参拝者から信仰を集めています。

境内社と見どころ

境内には「目の神社」をはじめ、瘡守稲荷社、忍城七福神「大国主神社」など、様々な境内社が祀られています。また、近年では「なで桃」がパワースポットとして注目を集めています。季節の花々を使った美しい花手水も、参拝者を楽しませる魅力の一つです。

鈴木其一筆「神功皇后三韓征伐凱旋之図」

弘化2年(1845年)に奉納された鈴木其一筆の「神功皇后三韓征伐凱旋之図」は、神社の社宝として大切に保管されています。この豪華な納額は、神社の歴史と芸術性を物語る貴重なものです。

まとめ

行田八幡神社は、歴史、伝説、そして「封じの宮」としての神秘性を併せ持つ、魅力的な神社です。忍城址や古代蓮の里など、行田市の歴史的観光地を訪れる際には、ぜひ行田八幡神社にも足を運んでみてください。きっと、その歴史と神秘に触れることができるでしょう。

関連リンク・参考文献

[1] 行田八幡神社 | 埼玉県行田市観光ガイド – 行田市観光NAVI
[2] 行田市 行田八幡神社 : 御朱印の森
[3] 由緒 | 癌封じ・ぼけ封じ・虫封じ・眼病平癒-行田八幡神社ホームページ
[4] 行田八幡神社 | 神社.com

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