野洲の秘宝:国宝・大笹原神社の知られざる魅力

滋賀県野洲市にひっそりと佇む大笹原神社。その規模は大きくありませんが、歴史と文化が息づく、大変貴重な場所です。今回は、この神社の知られざる魅力をご紹介します。

基本情報

  • 所在地: 滋賀県野洲市大篠原2375
  • 主祭神: 須佐之男命、櫛稲田姫命、八柱御子神、宇多天皇、敦実親王、佐々木高綱
  • 創建: 伝986年(寛和2年)
  • 本殿: 国宝(1414年、室町時代中期に岩倉城主・馬淵定信によって再建)
  • 境内社 篠原神社本殿: 重要文化財(1427年、室町時代中期建立)

国宝本殿:室町時代の匠の技

大笹原神社本殿は、1414年、岩倉城主・馬淵定信によって再建されました。京都の金閣寺の建立から約10年後という歴史を持ち、三間社入母屋造、檜皮葺の美しい建築様式は、東山文化の粋を凝らした傑作と称えられています。彫刻や組物など、細部に至るまで施された華麗な装飾は、他の神社建築ではなかなか見られないほどの凝った作りで、見る者を圧倒します。本殿内部には、正和5年、応永、文亀、永正、寛文年中の棟札が残されており、これらも国宝に指定されています。

神秘の池:寄倍の池の伝説

境内には、「寄倍の池」と呼ばれる深い池があります。底なし沼ともいわれるこの池には、かつて日照りの際に神輿を2基沈めて雨乞いの祈願をしたところ、水がこんこんと湧き出たという伝説が残っています。現在も、その神秘的な逸話が語り継がれ、池の水はどんな日照りでも枯れることがないと言われています。この伝説は、神社と地域の人々の深い信仰心の表れと言えるでしょう。

鏡餅発祥の地:篠原神社と篠原餅

大笹原神社の境内には、重要文化財に指定されている篠原神社があります。「餅の宮」とも呼ばれるこの神社は、鏡餅の神様である石凝姥命を祀っています。大笹原神社のある大篠原地区は、古くから良質のもち米の産地として知られ、鏡餅の発祥の地とも伝えられています。東山道(後の中山道)の宿場町であった篠原では、粘りの強い「篠原餅」が旅人の腹を満たし、保存食や土産物として人気を博しました。現在でも、この地の伝統を受け継いだ「篠原もち」が作られています。

アクセス

JR琵琶湖線野洲駅から近江鉄道バスまたは野洲市コミュニティバス(篠原コース)で大篠原停留所下車、徒歩15分。

まとめ

大笹原神社は、国宝の本殿をはじめ、数々の歴史的建造物や伝説、そして鏡餅発祥の地という由緒ある場所です。静かな田園風景の中に佇む神社は、訪れる人々に深い感動を与えてくれるでしょう。ぜひ、一度訪れて、その魅力を体感してみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 【野洲の秘宝】金閣寺なみに古い国宝!大笹原神社の知られざる伝説と魅力 – 田中りょう(タナカリョウ) | 選挙ドットコム
[2] 【野洲の秘宝】金閣寺なみに古い国宝!大笹原神社の知られざる伝説と魅力|田中りょう 野洲市政対策委員 野洲の名店・施設・文化・街づくりを紹介!目標100箇所
[3] 平凡なおっちゃんの足跡: 滋賀県野洲市の国宝・神社巡り・・・大笹原神社です
[4] 大笹原神社 – Wikipedia
[5] 大笹原神社 | JAPAN SHIGA Tourism Official Website – SHIGA BIWAKO
[6] <大笹原神社>滋賀県 – 東近江・湖東エリアの神社仏閣【旅色】
[7] 神社紹介 > 滋賀県の神社 > 滋賀県神社庁
[8] 閑古鳥旅行社 − 大笹原神社本殿
[9] 大笹原神社(野洲市)
[10] 大笹原神社 本殿[滋賀] | WANDER 国宝
[11] 鏡餅発祥の地にひっそり佇む国宝「大笹原神社」 | 地球の歩き方

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