宮城県岩沼市中心部に鎮座する竹駒神社は、古来より「日本三稲荷」の一つとして数えられる、霊験あらたかな稲荷神社です。別名「竹駒稲荷」とも呼ばれ、旧称は「武隈明神」でした。県社として崇敬を集め、第二次世界大戦後は神社本庁の別表神社となっています。
基本情報
- 所在地: 宮城県岩沼市稲荷町1-1
- 主祭神: 倉稲魂神(うかのみたまのかみ)を主祭神とし、保食神(うけもちのかみ)、稚産霊神(わくむすびのかみ)を相殿に祀る。三柱の神々を総称して「竹駒稲荷大神」と呼ぶ。衣食住を守護する神々として信仰を集めています。
- 創建: 伝承では、承和9年(842年)6月、小野篁が陸奥国司として赴任した際に伏見稲荷を勧請して創建されたと伝えられています。しかし、小野篁の陸奥守在任に関する史料は現存しておらず、創建時期や人物については諸説あります。小野一族が陸奥守に赴任した例も多く、別の小野氏が創建し、後に小野篁に結び付けられた可能性も指摘されています。
- 社格: 旧県社、別表神社
- 境内: 随神門(楼門)、向唐門、拝殿、本殿(三間社流造)、境内社(出雲神社、愛宕神社、八幡神社、総社宮、秋葉神社、北野神社など)、御神田、命婦社(神狐を祀る)、奥宮など、見どころが豊富です。随神門と向唐門は岩沼市、宮城県指定の有形文化財にも指定されています。
- 例祭: 初午大祭(旧暦2月の初午の日から7日間)の5日目
伝説とエピソード
創建に関する伝説として、小野篁が陸奥国司として赴任した際、白狐の導きによって現在の地に神社を創建したという話が伝わっています。この白狐は、竹駒神社の御創建の縁起にかかわる霊狐像として現在も祀られています。霊狐像は稲穂と鍵をくわえ、五穀豊穣と開運招福を象徴しています。
神社の名称「竹駒」の由来も興味深いものです。かつてこの地は「武隈」と呼ばれており、阿武隈川の「阿」が省略され、「たけくま」から「たけこま」に変化したと言われています。また、能因法師が竹駒神社の神が竹馬に乗った童子として現れたという伝説も残されています。
境内には、東日本大震災で被災したものの、その後再建された社殿があります。拝殿の地下には、放火事件で消失する前の竹駒神社元宮跡地への通路が残されています。元宮跡地の北側には命婦社と奥宮が鎮座し、命婦社の石祠三つの如意宝珠は竹駒神社の三柱の祭神を表すと言われています。
日本三稲荷について
竹駒神社は「日本三稲荷」の一つとされていますが、「日本三稲荷」を構成する神社は諸説あり、明確な定義はありません。伏見稲荷大社は必ず含まれるものの、残りの二社については地域によって異なっています。竹駒神社はその有力候補の一つとして広く知られています。
アクセスとその他
JR東北本線・常磐線岩沼駅から徒歩20分、仙台東部道路岩沼ICから車で10分とアクセスも良好です。年間160万人以上の参拝者があり、初詣には40万人以上が訪れる東北屈指の人気神社です。境内には、御朱印の授与所もあります。また、近年はアニメ聖地としても注目を集めています。
まとめ
歴史、伝説、そして自然豊かな環境が調和した竹駒神社は、単なる神社参拝を超えた、心に残る体験を提供してくれる場所です。宮城県を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 竹駒のおキツネさん | 日本三稲荷 竹駒神社
[2] 宮城県神社庁
[3] 日本三稲荷 竹駒神社
[4] <竹駒神社>“日本三稲荷”として宮城県岩沼市に鎮座|蔵王・白石のおすすめ観光・レジャースポットなら旅色
[5] 【竹駒神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet
[6] 竹駒神社 – Wikipedia
[7] 竹駒神社(岩沼市)
[8] 竹駒神社 – 偲フ花
[9] パワースポット竹駒神社 | 杜の都でみつけた…
[10] 岩沼の伝説から読み説く「竹」と「武」 | 仙台まほろばの道
[11] https://www.lemon8-app.com/@user4205691700248/7415158128390783494?region=us