金澤八幡宮:後三年合戦と源義家ゆかりの秋田の古社

秋田県横手市にある金澤八幡宮は、歴史と神秘に満ちた神社です。平安時代後期、奥羽平定を果たした源義家と深く関わっており、後三年合戦の舞台となった金沢柵跡に鎮座しています。

基本情報

  • 所在地: 秋田県横手市金沢字安本館4
  • 主祭神: 八幡大神
  • 創建: 寛治7年(1093年)
  • 例祭: 9月15日

源義家と後三年合戦

金澤八幡宮は、源義家が後三年の役後、奥州藤原氏初代の藤原清衡に命じて創建しました。京都の石清水八幡宮から八幡神を勧請し、戦いで陥落させた金沢柵跡に祀ったと伝えられています。金沢柵は古代の城柵で、その遺構は発見されていませんが、金澤八幡宮周辺の金沢公園一帯がその跡地だと推測されています。後三年合戦の激戦地であったこの地に、源義家が八幡神を祀ったことは、戦勝への感謝と、地域の鎮護を願う強い思いの表れと言えるでしょう。

伝説とミステリー

後三年合戦にまつわる様々な伝説が、金澤八幡宮と金沢地区に息づいています。例えば、義家軍が金沢柵に籠城する敵軍に対峙した際、煮豆が納豆菌によって糸を引いたという逸話があります。これは、納豆の発祥伝説の一つとして知られています。また、合戦を描いた絵巻物『後三年合戦絵詞』には、金沢柵から逃げ出した女性や子どもを義家が皆殺しにしたという残酷な描写も見られます。これらの物語は、合戦の激しさや悲劇性を物語るとともに、金澤八幡宮の歴史に深みを与えています。

祭典と伝統行事

金澤八幡宮では、毎年9月14日と15日に盛大な祭典が開催されます。宵宮には県無形民俗文化財である「伝統掛唄」が、祭典当日には市無形民俗文化財である「金沢ささら」や奉納相撲などが行われます。「金沢ささら」は、佐竹氏が茨城県から秋田に移封された際に伝えられた伝統の獅子舞で、勇壮な舞姿は見る者を魅了します。祭典は、後三年合戦の最終地であった金沢地区の歴史と文化を今に伝える重要な行事となっています。

境内と周辺

金澤八幡宮の境内には、青銅製の神馬像など、見どころが数多くあります。また、境内にある金沢公園は、散策に最適な場所です。周辺には、後三年合戦金沢資料館など、歴史を学ぶことができる施設もあります。資料館では、後三年合戦絵詞の模写や、秋田県指定文化財の経筒、遺跡発掘調査時の発掘品、金澤八幡宮の宝物などが展示されています。

まとめ

金澤八幡宮は、源義家ゆかりの古社であり、後三年合戦の歴史と、納豆発祥伝説など数々の伝説が息づく神秘的な場所です。歴史好き、神社仏閣好き、そしてミステリー好きの方々にとって、魅力的な観光スポットと言えるでしょう。 秋田県を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 金澤八幡宮 – Wikipedia
[2] 金澤八幡宮
[3] 金澤八幡宮 – 横手市金沢中野/神社 | Yahoo!マップ
[4] 金澤八幡宮祭典 | 秋田のがんばる集落応援サイト あきた元気ムラ

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