埼玉県入間市西三ツ木に鎮座する金子神社は、素盞嗚尊を主祭神とする歴史深い神社です。創建時期は不明ですが、古くは天王社と呼ばれ、江戸中期には「天王山の社」として西三ツ木村(現在の入間市西三ツ木)の村民から篤い信仰を集めていました。
歴史の変遷:牛頭天王から素盞嗚尊へ
江戸中期の古文書『林山畑名寄帳』には「天王山の社」と記されており、当時の祭神は牛頭天王でした。寛政3年(1791年)の『村鑑明細帳』には、毎年6月15日に祭礼が行われていたことが記録されています。明治5年(1872年)の神仏分離令により、祭神は素盞嗚尊と改められ、社名も現在の「金子神社」となりました。昭和43年(1968年)には、三峰神社と西三ツ木出身の戦没者16名を合祀し、現在の姿となりました。社殿は昭和23年(1948年)に再建され、平成20年(2008年)には屋根瓦などの改修が行われています。
謎めいた「山の神」
天王山参道の中腹には、昭和40年代まで「山の神」と呼ばれた祠がありました。その創建時期や祭神は不明ですが、御神木と旧社殿の土台のみが残されており、地元住民からは今も「山の神」と呼ばれ、畏敬の念を抱かれています。この「山の神」の謎は、金子神社の歴史にさらに深みを与えています。 もしかしたら、古くからの信仰の名残や、地元に伝わる言い伝えが隠されているのかもしれません。
盛大な祭礼:西三ツ木ばやし
金子神社の祭礼は、江戸時代後期から続く伝統行事です。かつては6月15日、明治期には5月1日、その後7月20日、25日と変遷を経て、現在は4月の最終土曜日・日曜日に行われています。神輿、山車2台が村廻りを行い、山車では入間市指定無形民俗文化財「西三ツ木ばやし」が奉納されます。この独特の祭囃子は、金子神社祭礼の大きな魅力であり、地域住民にとって大切な文化遺産となっています。 祭礼の様子は、地域住民の強い結束と、長い歴史の中で培われた伝統の重みを感じさせます。
金子神社と地域
金子神社は、単なる神社としてだけでなく、地域住民の生活や歴史と深く結びついています。神社の創建や祭礼に関する伝承、そして「山の神」の謎など、多くの謎や物語が語り継がれ、地域の歴史と文化を象徴する存在となっています。 訪れる際には、神社の歴史や伝承に思いを馳せながら、静寂な境内と、地域住民の信仰の深さを感じてみてください。
アクセス情報
- 住所:埼玉県入間市西三ツ木23
- アクセス:JR八高線金子駅から徒歩10分、または入間市駅からバスで西三ツ木バス停下車
このブログ記事が、金子神社の魅力を伝える一助となれば幸いです。
関連リンク・参考文献
[1] 金子神社 – Wikipedia
[2] 炎の擁護者 | Kaneko Tomiyuki
[3] 金子神社祭礼【アソビュー!】
[4] 山姥と大蛇伝説 | Kaneko Tomiyuki
[5] 金子厳島神社 東京都調布市西つつじヶ丘 – 神社と古事記
[6] 金子神社 | 埼玉県の神社
[7] 金子神社。入間市西三ツ木の神社