いわき市の歴史と信仰が息づくパワースポット:子鍬倉神社

福島県いわき市平字揚土に鎮座する子鍬倉神社(こくわくらじんじゃ)。延喜式内社に記載され、旧県社としていわき市民に親しまれる由緒ある神社です。その歴史と魅力を紐解いていきましょう。

基本情報

  • 所在地: 福島県いわき市平字揚土30
  • 主祭神: 稲倉魂命(うかのみたまのみこと)
  • 社格: 式内社(小)、旧県社
  • 創建: 大同元年(806年)と伝えられる
  • 例祭: 4月18日

歴史に彩られた神社

社伝によれば、子鍬倉神社は806年創建と伝えられています。古くは磐城四郡(菊多郡、磐城郡、磐前郡、楢葉郡)の総鎮守として崇敬を集め、「延喜式内社」にも名を連ねる由緒ある神社です。 また、「平城三社」の一つとして、歴代の平城主からも厚い信仰を受けていました。

慶長6年(1602年)の磐城平城築城により社地が狭まり、一時荒廃しましたが、文政9年(1826年)、第4代平藩主・内藤義概によって現在の地に復興されました。明治6年(1873年)には県社に列格、近代社格制度廃止後も「けんしゃ」の愛称で親しまれています。明治7年(1874年)には南正面の断崖を切り開き「男坂」、大正10年(1921年)には「女坂」が完成しました。

天保2年(1831年)4月には火災により社殿が消失し、多くの古文書や神宝を失うという悲しい出来事がありました。現在の本殿は嘉永6年(1853年)5月に再建され、昭和4年(1929年)には幣殿と拝殿が完成しました。

「子鍬倉」の謎:社名の由来

ユニークな社名「子鍬倉」の由来は諸説ありますが、「子」は蚕(カイコ)を意味し「衣」、「鍬」は農具で「食」、「倉」は「住」を表し、「衣食住」の神として人々の生活に寄り添う神徳を表していると考えられています。 養蚕が盛んだった地域性も反映しているのかもしれません。

境内と摂社・兼務社

広々とした境内には、本殿の他に秋葉神社(祭神:迦具土神)、菅社天満宮(祭神:菅原道真公)、八坂神社など複数の摂社・兼務社が祀られています。それぞれの神様への信仰も深く根付いています。 境内には巴紋が見られ、神社のシンボルとして大切にされています。

現代に残る信仰と魅力

現在も、子鍬倉神社は地域住民の信仰の中心として、初詣や例祭など多くの参拝者で賑わいます。例祭では神輿渡御が行われ、いわき市中心市街地を練り歩く盛大な祭りとなります。

子鍬倉神社は、歴史の重みと現代の信仰が調和した、いわき市を代表する神社と言えるでしょう。 その歴史と神秘的な雰囲気、そして「衣食住」の神としての神徳は、多くの参拝者を惹きつけてやみません。 いわきを訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 子鍬倉神社
[2] 子鍬倉神社・初詣情報2023 | ラジオ福島
[3] 子鍬倉神社 (いわき市)
[4] 子鍬倉神社の御朱印・アクセス情報(福島県いわき駅)|ホトカミ
[5] 子鍬倉神社 – Wikipedia

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