富士山本宮浅間大社:富士山信仰の聖地、そしてミステリー

静岡県富士宮市に鎮座する富士山本宮浅間大社は、言わずと知れた富士山信仰の中心地であり、全国約1300社の浅間神社の総本宮です。その歴史は古く、式内社(名神大社)、駿河国一宮として、古くから朝廷や武家からも厚い崇敬を受けてきました。旧社格は官幣大社、神社本庁の別表神社に位置づけられ、社家は富士氏です。

基本情報

  • 所在地: 静岡県富士宮市宮町1-1
  • 主祭神: 木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)別称:浅間大神
  • 神体: 富士山(神体山)
  • 社格: 式内社(名神大社)、駿河国一宮、旧官幣大社、別表神社
  • 創建: 伝承では第11代垂仁天皇3年
  • 本殿様式: 浅間造(全国でも珍しい2階建て)
  • 世界遺産: 「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一つとして登録

歴史と伝説

富士山本宮浅間大社の起源は、古くは富士山噴火鎮めの祈願に遡ります。伝承によれば、第11代垂仁天皇の時代に、富士山の噴火を鎮めるため、浅間大神が富士山麓に祀られたのが始まりとされています。その後、大同元年(806年)、平城天皇の勅命により、坂上田村麻呂が現在の地に社殿を造営し、山宮から遷座されました。この遷座は、富士山の湧水が豊富に流れ込むこの地が、水徳の神を祀るのに最適であったためと考えられています。

鎌倉時代には、源頼朝が流鏑馬を奉納したことが始まりとされる流鏑馬祭が、現在も5月4日~6日に行われています。また、徳川家康は関ヶ原の戦いの勝利を祈願し、慶長9年(1604年)に現在の朱色の本殿を造営しました。この本殿は、浅間造と呼ばれる珍しい2階建て構造で、国の重要文化財に指定されています。境内には、富士山の雪解け水が湧き出す湧玉池(国の特別天然記念物)があり、その清らかな水は、古くから人々の生活を潤してきました。

ミステリーと裏話

浅間大社には、数々の伝説やミステリーが語り継がれています。例えば、富士山頂の奥宮や、本宮の前身である山宮浅間神社など、富士山信仰にまつわる様々な伝承が、この神社の神秘性を高めています。また、湧玉池の神秘的な雰囲気や、境内にある古木なども、多くの人の想像力を掻き立てます。

さらに、人穴浅間神社という、富士山本宮浅間大社と深く関わる神社も存在します。人穴は、富士山麓にある溶岩洞穴で、鎌倉時代に源頼家の命を受けた仁田忠常が探検した際に、4人が死亡したという伝説が残っています。この伝説は、人穴の神秘性をさらに深めるものとなっています。

魅力的な見どころ

  • 本殿: 徳川家康が造営した、浅間造と呼ばれる珍しい2階建ての本殿は必見です。
  • 湧玉池: 富士山の伏流水が湧き出る、国の特別天然記念物。神秘的な雰囲気に包まれています。
  • 流鏑馬祭: 5月に行われる勇壮な流鏑馬祭は、歴史を感じさせる迫力満点のイベントです。
  • 境内社: 本宮以外にも、山宮浅間神社など、様々な境内社があります。
  • 富士山: 浅間大社から富士山を望む景色は、まさに絶景です。

富士山本宮浅間大社は、歴史、信仰、そしてミステリーが融合した、魅力あふれる場所です。訪れる際には、これらの要素を意識して参拝すると、より深い感動を得られるでしょう。 ぜひ、一度足を運んでみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 富士山麓随一のミステリースポット、人穴 | 静岡・浜松・伊豆情報局
[2] 富士山本宮浅間大社 – 静岡県神社庁
[3] バックナンバー|TBSテレビ:『日立 世界ふしぎ発見!』
[4] 富士山本宮浅間大社:御由緒
[5] 富士山本宮浅間大社 | 静岡県富士宮市
[6] 富士山本宮浅間大社 – Wikipedia
[7] 富士山構成資産「富士山本宮浅間大社」の評価と考察 | 芸術教養学科WEB卒業研究展 | 京都芸術大学通信教育課程
[8] 富士宮市観光協会 » 富士山本宮浅間大社
[9] 名だたる武将にも崇敬されたパワースポット・富士山本宮浅間大社とその周辺をぶらり散策 – 静岡県観光公式ブログ
[10] 富士山本宮浅間大社 | 株式会社レイライン
[11] 富士山本宮浅間大社:富士山信仰の聖地、そしてミステリー – 神社旅
[12] 富士山本宮浅間大社 | Travel to Japanese Architecture – ANA

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