滋賀県甲賀市信楽町牧に鎮座する日雲神社(ひくもじんじゃ)。信楽焼で有名な信楽の地にありながら、静謐な雰囲気を漂わせるこの神社は、意外な魅力を秘めています。
基本情報
- 所在地: 滋賀県甲賀市信楽町牧75
- 主祭神: 天御中主神
- 旧社格: 村社
- 創建: 創祀年代不詳。伊勢神道五部書『倭姫命世記』にある「甲可日雲宮」が起源と伝えられています。
- 本殿: 元禄4年(1691年)再建とされる三間社流造檜皮葺で、国登録有形文化財建造物に登録されています。近江の流造本殿の伝統を受け継ぐ貴重な建築です。
- アクセス: 信楽高原鐵道雲井駅から徒歩5分。境内には信楽高原鉄道の線路が通っており、警報機のない踏切は、線路が結界のように見えると話題です。
歴史と伝説
日雲神社の歴史は古く、倭姫命が天照大神を奉じて各地を巡幸した際に、この地に4年間滞在したと伝えられています。このことから、日雲神社は元伊勢「甲可日雲宮」の候補地の一つとして考えられています。 しかし、『倭姫命世記』の記述だけでは特定が難しく、甲賀市内には他にも「甲可日雲宮」を名乗る神社が複数存在します。 神社はかつて「上野山天神」や「牧村天満宮」と呼ばれていましたが、明治18年(1885年)に現在の社名に改められました。
境内には、鎌倉時代の嘉元4年(1306年)の刻銘を持つ六角形石灯籠(甲賀市指定文化財)も残されています。また、例祭である5月5日には、江戸時代中期頃から伝わる「太鼓踊」(滋賀県選択無形民俗文化財)が奉納されます。
ミステリーと裏話
神社の境内を走る信楽高原鉄道は、独特の雰囲気を醸し出しています。警報機のない踏切は、まるで異世界への入り口のようにも感じられ、多くの参拝者を魅了しています。 また、元伊勢候補地としての謎めいた歴史や、複数の「甲可日雲宮」の存在も、日雲神社をより神秘的な場所へと彩っています。 静かな住宅街に佇む神社のたたずまいも、都会の喧騒を忘れさせてくれる、不思議な魅力です。
周辺情報
日雲神社周辺には、信楽陶器の里や信楽高原鐵道など、観光スポットが豊富です。 神社参拝と合わせて、信楽の豊かな自然や文化に触れてみるのも良いでしょう。
日雲神社は、歴史と神秘、そして現代の風景が融合した、魅力的な場所です。 信楽を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。
関連リンク・参考文献
[1] 日雲神社 – Wikipedia
[2] 日雲神社
[3] 神社紹介 > 滋賀県の神社 > 滋賀県神社庁
[4] 日雲神社 (滋賀県 甲賀市) | みぞかつのぶらり散歩
[5] 日雲神社(ひぐもじんじゃ)|こうかぽーたる|甲賀市のおすすめイベント・観光・ショッピングのスポットガイド|甲賀市で行われているイベント、観光スポット、カフェやレストラン、ショッピング、おみやげなど甲賀市をまるっとご紹介するポータルサイトです。甲賀市の魅力をどんどん発信中。陶芸の町である信楽、宿場町である水口、お茶処の土山、お薬の町甲賀、忍者屋敷のある甲南など、忍者の里 甲賀市の歴史や魅力をまるっと紹介していきます。
[6] 甲可日雲宮