鹿児島県霧島市隼人町に鎮座する鹿児島神宮は、南九州を代表する歴史深い神社です。延喜式にも記載される古社であり、大隅国一宮、かつては「大隅正八幡宮」や「国分八幡宮」などとも呼ばれていました。現在では神社本庁の別表神社に列せられています。
基本情報
- 所在地: 鹿児島県霧島市隼人町内2496-1
- 主祭神: 天津日高彦火火出見尊(あま つひだかひこほほでみのみこと、山幸彦)・豊玉比売命(とよたまひめのみこと)
- 相殿神: 帯中比子尊(仲哀天皇)、息長帯比売命(神功皇后)、品陀和気尊(応神天皇・八幡大神)、中比売命(応神天皇皇后)
- 社格: 式内大社(国幣大社)、大隅国一宮、旧官幣大社、別表神社
- 創建: 伝神代、または神武天皇の御代
海幸・山幸神話と深い関わり
鹿児島神宮の主祭神である天津日高彦火火出見尊は、海幸・山幸神話に登場する山幸彦です。この神話は、漁業や農業など、人々の生活に欠かせない恵みをもたらす神として広く信仰されています。そのため、鹿児島神宮は開運、厄除け、良縁、安産など、様々なご利益があるとされています。
八幡神の合祀と「大隅正八幡宮」
平安時代後期には、八幡神が勧請され、「大隅正八幡宮」と呼ばれるようになりました。この時代、鹿児島神宮は南九州における信仰の中心地として栄え、広大な社領を有していました。 「正八幡」を巡る宇佐八幡宮との論争に関する伝説も残っており、その歴史的背景を物語っています。
荘厳な社殿と貴重な文化財
現在の社殿は宝暦6年(1756年)に島津重年公の寄進によって造営されたもので、九州最大級の規模を誇ります。本殿、拝殿、勅使殿、摂社四所神社本殿は国の重要文化財に指定されており、龍の彫刻や200以上の植物が描かれた天井画など、見事な装飾が見どころです。境内及び周辺は「大隅正八幡宮境内及び社家跡」として国の史跡にも指定されています。
魅力的な年中行事
鹿児島神宮では、年間を通して様々な祭事が行われています。特に、春に行われる「初午祭」では、鈴をつけた馬が躍動する様子が見られ、多くの人々が訪れます。秋には武者行列と御神輿が海まで歩く「隼人浜下り」が行われます。これらの祭りは、地域住民の信仰の深さと、鹿児島神宮の重要な役割を示しています。
その他見どころ
- 摂社である石體神社は、安産成就の神として信仰されており、境内に積まれた丸石をお守りとして持ち帰る風習があります。
- 鯛車やポンパチなどの郷土玩具も奉納されており、独特の文化に触れることができます。
アクセス
JR隼人駅から徒歩約15分。車の場合は、溝辺鹿児島インターチェンジから約15分、鹿児島空港から約15分です。
鹿児島神宮は、歴史と神話が息づく、訪れる価値のある神社です。雄大な自然に囲まれた境内を散策し、荘厳な社殿や貴重な文化財を鑑賞することで、日本の歴史と文化に触れることができるでしょう。
関連リンク・参考文献
[1] 鹿兒島神宮(鹿児島神宮)|九州への旅行や観光情報は九州旅ネット
[2] 鹿児島神宮 – 見どころ、アクセス & 周辺情報 | GOOD LUCK TRIP
[3] 鹿兒島神宮(鹿児島神宮) | 観光スポット | 【公式】鹿児島県観光サイト かごしまの旅
[4] トップページ – 鹿児島神宮
[5] 鹿児島神宮へお詣りに、ヒコホホデミノミコトと八幡様が南九州を鎮護する – ムカシノコト、ホリコムヨ。鹿児島の歴史とか。
[6] 鹿児島神宮 – Wikipedia
[7] 鹿児島神宮 – Guidoor
[8] 由緒について – 鹿児島神宮
[9] 「正宮山植杉記」碑、鹿児島神宮の杉林の由緒を伝える、日秀上人の伝説も – ムカシノコト、ホリコムヨ。鹿児島の歴史とか。
[10] 【歴史探訪 1】鹿児島神宮は中世の宗教都市だった(霧島市) |マロン