古都鎌倉の鶴岡八幡宮、東京の富岡八幡宮と並ぶ「関東三岡八幡宮」の一つとして知られる飯香岡八幡宮。千葉県市原市八幡に鎮座するこの神社は、1350年以上の歴史を誇り、数々の伝説や神秘的なエピソードを秘めています。今回は、その魅力を余すことなくご紹介します。
基本情報
- 所在地: 千葉県市原市八幡1057-1
- 祭神: 誉田別尊(ほんだわけのみこと)、息長帯姫尊(おきながたらしひめのみこと)、玉依姫尊(たまよりひめのみこと)ほか7柱
- 創建: 伝承では白鳳年間(675年頃)
- 社格: 上総国総社、旧県社
- アクセス: JR内房線八幡宿駅西口から徒歩
1350年以上の歴史と変遷
飯香岡八幡宮は、社伝によれば白鳳時代に一国一社の八幡宮として創建されました。平安時代には、国司が管内の神社を巡拝する代わりに、国府近くに管内の神社の祭神を合祀し遙拝するための総社も兼ねていたと言われています。鎌倉時代には源頼朝、室町時代には足利氏、江戸時代には徳川家康など、多くの武家から崇敬を集め、所領150石を安堵され、10万石の格式を与えられました。
かつては、境内には広大な海が広がり、潮干狩りや海水浴客で賑わっていたそうです。しかし、昭和30年代後半からの埋め立てにより、現在の姿となりました。
伝説とエピソード
- 飯香岡の名前の由来: 日本武尊が東征の際、この地で休憩した際に、社人が食事を捧げ、その飯の香りに尊が感銘を受けたことから「御影山」が「飯香岡」と呼ばれるようになったという伝説があります。
- 源頼朝の祈願: 石橋山の戦いで敗れた源頼朝が、源氏再興を祈願して、境内に逆さ銀杏を植えたという伝説が残っています。この逆さ銀杏は、現在も境内に存在し、多くの参拝者から親しまれています。
- 足利義満の奉納: 足利義満が奉納したとされる至徳元年(1384)銘の神輿は、千葉県指定文化財として大切に保管されています。
- 子育て八幡宮: 飯香岡八幡宮は、安産・子育ての神としても信仰を集めており、「子育て八幡宮」とも呼ばれています。秋季大祭(旧暦8月15日)には、子育て祈願や虫封じなどの祈願が多く寄せられます。
貴重な文化財
飯香岡八幡宮には、多くの貴重な文化財が保存されています。
- 本殿: 室町時代末期の建造とされ、国の重要文化財に指定されています。大きく簡素で堂々とした和様建築です。
- 拝殿: 元禄4年(1691年)に再建されたとされ、県指定有形文化財に指定されています。
- 夫婦銀杏: 千葉県指定天然記念物に指定されている、幹が二股に分かれた2本の銀杏の木。
境内を彩る巨木
境内には、古くから大切に守られてきた巨木が数多く存在します。特に、逆さ銀杏と夫婦銀杏は、紅葉の時期には境内を美しく彩り、多くの参拝者を引きつけます。
まとめ
1350年以上の歴史と、数々の伝説やエピソード、そして貴重な文化財を有する飯香岡八幡宮。訪れる人々を歴史と神秘の世界へと誘う、魅力あふれる神社です。ぜひ、一度足を運んで、その荘厳な雰囲気と歴史の重みを感じてみてください。 2025年3月からは御鎮座1350年祭も開催され、特別な祭事が執り行われる予定です。
関連リンク・参考文献
[1] 飯香岡八幡宮本殿/千葉県
[2] 飯香岡八幡宮拝殿/千葉県
[3] 飯香岡八幡宮 – Wikipedia
[4] 501 Not Implemented
[5] 市原市ウェブサイト
[6] YouTube
[7] 飯香岡八幡宮 1350年の歴史と変遷 | 飯香岡八幡宮 御鎮座1350年記念事業特集| まいぷれ[市原市]