香川県坂出市神谷町に鎮座する神谷神社は、その歴史と荘厳な国宝本殿で知られる由緒ある神社です。JR坂出駅から車で約14分、白峰山の麓に位置し、静寂に包まれた境内は、古の息吹を感じさせる神秘的な空間が広がっています。
基本情報
- 社名: 神谷神社(かんだにじんじゃ)
- 所在地: 香川県坂出市神谷町621番地
- 御祭神: 火結命、奥津彦命、奥津姫命(相殿神として春日四柱神)
- 旧社格: 郷社
- 主な文化財: 国宝(本殿)、重要文化財(木造随身立像)
国宝本殿:鎌倉時代の奇跡
神谷神社の最大の魅力は、なんと言っても鎌倉時代初期(1219年)に建造された国宝本殿です。建造年が明確な神社建築としては日本最古とされ、三間社流造という様式は、屋根の美しい曲線と4本の柱の空間が特徴です。 使用されている木材の多くは建立当時のまま残っており、その歴史の重みを感じさせます。 2022年9月27日、落雷による火災で屋根の一部が焼損する被害を受けましたが、文化庁の調査により国宝としての価値は損なわれていないと判断され、現在修復工事が進められています。(2025年9月末頃完了予定)
伝説とエピソード:神々の舞う谷
神谷神社のある谷は古くから「神谷」と呼ばれ、神々が神楽を奏でるという伝説が残っています。 社伝によれば、弘仁3年(812年)に空海の叔父である阿刀大足によって社殿が造営され、春日四柱神が配祀されたと伝えられています。 また、境内には「影向石」と呼ばれる磐座があり、弥生時代の土器なども発見されていることから、古くから信仰の対象とされていたことが伺えます。 境内にある岩には、かつて他国者が神谷神社で狼藉を企てた際に、熊蜂の大群に襲われ、悔しさのあまり刀で傷をつけたという言い伝えも残っています。
その他の文化財
本殿以外にも、鎌倉時代の作とされる木造随身立像(阿形・吽形)が重要文化財に指定されています。 神像は通常、神殿の奥深く祀られるため、これらは非常に貴重な存在です。 さらに、坂出市指定有形文化財として、百韻連歌の記録や舞楽面、写経などが伝わっています。
復興への歩み
落雷による火災からの復興に向けて、神谷神社ではクラウドファンディングなども実施し、多くの方々の支援を受けています。 この貴重な文化財を未来へ繋ぐため、現在も修復作業が続けられています。 修復後の神谷神社は、さらに荘厳な姿で人々を魅了することでしょう。
アクセスと周辺情報
神谷神社は、白峰山と五夜嶽に挟まれた静かな場所に位置しています。 周辺には、白峰寺を中心とした信仰の山である白峰山や、瀬戸内海の美しい景色が広がる櫃石島、岩黒島などの観光スポットもあります。 神谷神社を訪れた際には、周辺の自然や歴史に触れてみるのも良いでしょう。
関連リンク・参考文献
[1] 香川県坂出市・神谷神社|被災した国宝本殿を再建し、未来へ継承したい(神谷神社 2022/11/14 公開) – クラウドファンディング READYFOR
[2] 国宝・神谷神社本殿の屋根焼ける 出火原因は落雷 宮司「ショック以外何物でもない」 香川・坂出市 | KSBニュース | KSB瀬戸内海放送
[3] 神谷神社 – Wikipedia
[4] 【香川県唯一】坂出市にある『神谷神社の国宝』でデートする – 香川県まちなび
[5] 神谷神社 | 車椅子で行く神社仏閣・パワースポットの旅
[6] 神谷神社(かんだにじんじゃ)~香川県坂出市神谷 | 大根役者
[7] 神谷神社 (坂出市)
[8] 国宝 神谷神社 – 坂出市ホームページ
[9] YouTube
[10] YouTube
[11] 神谷神社 – 香川県神社庁
[12] 神谷神社 – 【公式】香川県坂出市の観光・旅行情報サイト|おでかけかけはし坂出