小平潟天満宮:猪苗代湖畔の学問の神様と、数々の伝説

福島県耶麻郡猪苗代町中小松にある小平潟天満宮は、猪苗代湖畔に佇む由緒ある神社です。菅原道真公を祀り、大宰府天満宮、北野天満宮と並んで日本三大天神とする説もある、学問の神様として知られています。毎年多くの受験生が合格祈願に訪れ、パワースポットとしても人気を集めています。

創建と伝説:神像が動かず…

小平潟天満宮の創建は、天暦2年(948年)と伝えられています。その創建には、興味深い伝説が残されています。近江国比良神社の神主・神良種が、摂津国須磨で菅原道真公の神像を発見し、旅の途中で猪苗代湖畔に辿り着いた際、神像が急に重くなり動かなくなりました。その地が須磨とよく似た景色だったことから、神良種は神像の鎮座の地と定め、天満宮を勧請したと言われています。この時、小出方村と呼ばれていた地名は、摂津国平潟にちなんで小平潟と改められたそうです。

猪苗代兼載と申し子伝説:天才連歌師のルーツ

室町時代末期の天才連歌師、猪苗代兼載は、小平潟天満宮の申し子であったという伝説があります。この伝説は、小平潟天満宮の信仰をさらに深め、会津地方をはじめ、仙道(現在の福島県中通り)諸郡の領主や領民からの厚い保護を受け、天満宮は大きく繁栄しました。

野口英世とのかかわり:細菌学者の信仰

小平潟天満宮は、世界的に有名な細菌学者、野口英世が信仰していた神社としても知られています。野口英世の生家は、小平潟天満宮からそう遠くない場所にあり、この地と野口英世の深い繋がりを感じさせます。

天神浜の絶景:日本の白砂青松100選

天満宮の前に広がる天神浜は、長瀬川が作り出した三角州の一角に位置し、美しい松原と猪苗代湖、そして磐梯山の絶景を望むことができます。この天神浜は、「日本の白砂青松100選」にも選ばれており、自然豊かな環境も魅力の一つです。

現在の社殿:会津藩主による造営

現在の社殿は、天和2年(1682年)に会津藩主・松平正容によって造営されたものです。「流造」という建築様式で建てられており、小規模ながらも精緻な意匠が施されています。

アクセスと見どころ

小平潟天満宮は、JR磐越西線猪苗代駅から車で約10分の場所に位置しています。猪苗代湖畔の美しい景色と、歴史と伝説に彩られた小平潟天満宮を、ぜひ訪れてみてください。

その他情報

  • 例祭:初天神(1月25日)、祈祥祭(2月24日~25日)、例大祭(7月24日~25日)など
  • 境内には、福島県指定重要文化財の「紙本墨書猪苗代兼載書八代集秀逸」や、猪苗代町指定文化財の本殿、算額などがあります。

小平潟天満宮は、歴史、伝説、自然、そして信仰が一体となった、魅力あふれる場所です。 猪苗代湖を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

関連リンク・参考文献

[1] Prism Japan
[2] 小平潟天満宮 福島県猪苗代町
[3] 小平潟天満宮(福島県耶麻郡猪苗代町) | ゴシュインデイズ
[4] 小平潟天満宮 福島県猪苗代町。
[5] 小平潟天満宮 – Wikipedia
[6] 小平潟天満宮のスポット情報 | 耶麻郡猪苗代町 | JAFナビ
[7] 福島県猪苗代町の旅(3)……天鏡閣と小平潟天満宮へ|かわかわ

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