建部大社:近江国一之宮の神秘と歴史

滋賀県大津市神領に鎮座する建部大社は、近江国一宮、式内社(名神大社)であり、古くから近江の国を守護する神として崇敬を集めてきた由緒ある神社です。主祭神は、日本武尊(やまとたけるのみこと)。その武勇と悲劇的な最期は、数々の伝説や物語を生み出し、建部大社を神聖な場所として人々の心に深く刻み込んできました。

基本情報

  • 所在地: 滋賀県大津市神領1丁目16-1
  • 主祭神: 日本武尊(やまとたけるのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)
  • 社格: 式内社(名神大社)、近江国一宮、旧官幣大社、神社本庁別表神社
  • 創建: 伝・景行天皇46年(114年頃)
  • 主な神事: 船幸祭(8月17日、大津三大祭の一つ)

歴史と伝説:ヤマトタケルと建部大社の深い繋がり

建部大社の歴史は古く、社伝によれば、日本武尊の妃である布多遅比売命が、神勅により日本武尊を祀ったのが始まりとされています。当初は神崎郡建部郷(現在の東近江市付近)に鎮座していましたが、その後、天武天皇の時代に現在の地に移されたと伝えられています。

日本武尊は、古事記や日本書紀にも記される英雄。東征の際に数々の武勇を奮い、その生涯はドラマチックな物語として語り継がれています。建部大社は、そんな日本武尊を祀る神社として、古くから人々の信仰を集めてきました。

源頼朝と建部大社:武家の信仰と出世開運

鎌倉時代には、源頼朝が建部大社に参拝し、源氏再興を祈願したという逸話が残されています。頼朝はその後、鎌倉幕府を開き、建部大社は武家の信仰を集める神社となりました。以来、建部大社は出世開運、除災厄除、商売繁盛、縁結び、医薬醸造の神として信仰を集めています。境内には、頼朝公が出世を祈願したとされる「頼朝公の出世水」と呼ばれる御神水もあります。

神秘と魅力:境内と宝物

建部大社の境内は、静寂に包まれた神聖な空間です。本殿の左右には摂末社が並び、本殿前には神社のシンボルである三本杉がそびえ立ちます。また、平安時代の作とされる木造女神像や石灯籠は重要文化財に指定されており、宝物殿ではこれらの貴重な社宝を拝観することができます。(宝物殿拝観は有料、要予約)

毎年8月17日に行われる「納涼船幸祭」は、重さ1.5tの大神輿を御座船に乗せ瀬田川を下る壮大な神事で、大津三大祭の一つとして知られています。日本武尊の東征故事にちなみ、古来より受け継がれてきた伝統的な神事です。

アクセスと周辺情報

建部大社は、JR琵琶湖線石山駅から近江バスでアクセスできます。また、名神高速道路瀬田西ICからも近く、車でのアクセスも便利です。周辺には、瀬田の唐橋や近江国庁跡など、歴史的な観光スポットも多く、一日かけて歴史散策を楽しむことができます。

建部大社は、歴史と伝説、そして自然が織りなす神秘的な空間です。静寂の中で神聖な空気を吸い込み、歴史に思いを馳せながら、心静かに過ごせる場所と言えるでしょう。ぜひ一度、訪れてみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 建部大社
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[3] 建部大社 | 滋賀県観光情報[公式観光サイト]滋賀・びわ湖のすべてがわかる!
[4] 建部大社 – Wikipedia
[5] 建部大社:近畿エリア | おでかけガイド:JRおでかけネット
[6] 501 Not Implemented
[7] YouTube

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