氷川女体神社:見沼の龍神と、歴史と謎が織りなす埼玉の古社

埼玉県さいたま市緑区宮本に鎮座する氷川女体神社(ひかわにょたいじんじゃ)。正式には旧字体の「氷川女體神社」ですが、新字体も広く使われています。武蔵国一宮を称し、全国一の宮会にも加盟する由緒ある神社です。旧社格は郷社で、かつては三室村の鎮守として信仰を集めていました。

基本情報

  • 御祭神: 奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)を主祭神とし、三穂津姫命、大己貴命を配祀します。大宮氷川神社の主祭神である須佐之男命の妻神にあたる奇稲田姫命を祀ることから、「女体社」と呼ばれています。
  • 創建: 社伝によれば、崇神天皇の時代(紀元前97~紀元前30年頃)に出雲大社から勧請されたと伝えられています。
  • 歴史: 天正19年(1591年)には徳川家康から社領50石を寄進され、近世の文書や拝殿の額には「武蔵国一宮」と記されています。これは大宮氷川神社、氷川女体神社、中山神社(簸王子社)の三社を一体のものとして捉えた解釈によるものです。江戸時代には、一の宮巡りの発祥の地ともされ、現在も大宮氷川神社と共に全国一の宮会に加盟しています。
  • 文化財: 多くの貴重な文化財を所蔵しており、「武蔵野の正倉院」と呼ばれることもあります。埼玉県指定有形文化財やさいたま市指定文化財に指定されているものも多く、三鱗文兵庫鎖太刀(国認定重要美術品)などもその一つです。
  • アクセス: JR武蔵野線東浦和駅からバスでアクセスできます。

見沼と龍神伝説

氷川女体神社は、かつて広大な沼地であった見沼の近くに位置しています。この見沼は、古くから龍神信仰の対象であり、神社の祭祀とも深く関わっていました。かつては、見沼を神輿が船で渡御する「御船祭」が行われていましたが、享保12年(1727年)に見沼の干拓が始まったため、祭祀は「磐船祭」へと移行しました。現在も境内には「磐船祭祭祀遺跡」が残っており、古代の祭祀の様子をしのばせます。境内には龍神社もあり、龍神まつりも開催されています。神社の周辺には、龍神にまつわる様々な伝説が残されています。

ミステリーと心霊現象

近年、氷川女体神社は心霊スポットとしても注目を集めています。子供の霊が目撃されたり、夜間に不気味な声が聞こえるといった噂がインターネット上で拡散されています。具体的な事件の記録はないものの、古代の見沼周辺での悲劇が関係しているという説もあります。これらの噂は、神社の神秘的な雰囲気と相まって、多くの人の関心を集めています。

その他の魅力

  • 社叢: 氷川女体神社の社叢は、さいたま市指定天然記念物に指定されている美しい鎮守の森です。
  • 建築: 社殿は拝殿、幣殿、本殿を連結した権現造で、1667年建立と伝えられています。埼玉県指定有形文化財に指定されています。
  • 御朱印: 御朱印も用意されています。

まとめ

氷川女体神社は、悠久の歴史と豊かな自然、そして謎めいた伝説が織りなす魅力的な場所です。歴史好き、自然好き、ミステリー好き、様々な人にとって、訪れる価値のある神社と言えるでしょう。 ぜひ、実際に訪れて、その魅力を体感してみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 氷川女體神社(埼玉県 さいたま市) | 美しい神社☆再訪したくなる神社
[2] 氷川女體神社(氷川女体神社) / 埼玉県さいたま市 | 御朱印・神社メモ
[3] 氷川女體神社。さいたま市緑区宮本の神社、旧郷社
[4] 氷川女体神社 – Wikipedia
[5] 【氷川女体神社】アクセス・営業時間・料金情報 – じゃらんnet
[6] https://www.visiting-japan.com/ja/articles/saitama/j11st-hikawanyotai.htm
[7] 氷川女體神社 | 埼玉県の神社
[8] 氷川女體神社(ひかわにょたいじんじゃ) | 日本の心霊スポット大全集埼玉県 氷川女體神社(ひかわにょたいじんじゃ) | 日本の心霊スポット大全集

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