隠岐の島に鎮座する由良比女神社:イカと深く繋がる神秘の社

島根県隠岐郡西ノ島町浦郷に鎮座する由良比女神社(ゆらひめじんじゃ)。古くから「イカの神様」として信仰を集めるこの神社は、その歴史と神秘的な伝承に彩られた、隠岐の島を代表する聖地です。

由良比女神社の基本情報

  • 祭神: 須勢理姫命(すせりひめのみこと)。地元では由良比女大神(ゆらひめのおおかみ)として親しまれています。
  • 社格: 式内社(名神大社)、隠岐国一宮、旧郷社
  • 創建: 不詳。仁明天皇承和9年(842年)には官社に預かったと伝えられています。
  • 所在地: 島根県隠岐郡西ノ島町浦郷922
  • 例祭: 7月の最終土・日曜日

イカと深く関わる神秘的な伝承

由良比女神社とイカの関係は、古くからの伝承に深く根付いています。

  • イカ寄せ祭: 由良比女大神はイカに乗って帰還したという伝承があり、例祭日には、浜辺にイカの大群が集まるという「イカ寄せ祭」が行われます。この神秘的な現象は、地元住民にとって神様の恵みを感じさせる重要な行事となっています。
  • 芋桶とイカの伝説: 別の伝承では、須勢理姫命が芋桶に乗って海を渡っていた際、海に浸した手をイカが引っ張った(噛み付いたとも)ことから、お詫びとして毎年イカが押し寄せると伝えられています。この伝説は、海と人、そして神様との深い繋がりを示唆しています。

歴史と格式

由良比女神社は、その歴史と格式においても注目に値します。

  • 延喜式神名帳: 延長5年(927年)に編纂された『延喜式神名帳』に名神大社として記載されており、古くから朝廷からも崇敬されていたことが分かります。
  • 隠岐国一宮: 平安時代末期には隠岐国一宮に定められ、隠岐の島における最高位の神社として崇められてきました。
  • 安政2年(1855年)の決議: 島前一統の祭りとすることを決議され、地域全体にとって重要な存在であったことが伺えます。

神帰祭:神様の帰還を祝う祭事

11月29日に行われる神帰祭は、由良比女大神が出雲の神在祭に出向いた後、帰還する様子を表す神事です。神様を迎え入れる神聖な儀式は、地域住民の信仰の深さを物語っています。

由良比女神社を訪れて

由良比女神社は、歴史、伝承、そして自然の織りなす神秘的な空間です。雄大な隠岐の自然の中で、古くからの信仰と、イカにまつわる不思議な伝承に触れてみませんか? 静寂に包まれた境内では、神様の息遣いを感じることができるかもしれません。 訪れる際には、周辺の美しい自然も合わせて楽しんでください。

アクセス

隠岐汽船の別府港からバスで約23分、または車で約11分です。

その他

神社の電話番号は西ノ島町観光協会に繋がりますのでご注意ください。

関連リンク・参考文献

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[2] 由良比女神社 – Wikipedia
[3] 由良比女神社 | 全国の一の宮 | 一の宮巡拝会
[4] 由良比女神社 – 神社詳細 | 島根県神社庁
[5] 由良比女神社 | しまね観光ナビ|島根県公式観光情報サイト

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