信太森葛葉稲荷神社:安倍晴明ゆかりの、哀しい恋物語と神秘に満ちた社

大阪府和泉市葛の葉町に鎮座する信太森葛葉稲荷神社。正式名称は信太森神社で、「葛葉稲荷神社」は通称です。和銅元年(708年)の創建と伝えられ、古くから人々の信仰を集めてきました。JR阪和線北信太駅から徒歩数分とアクセスも良好です。

安倍晴明の母、葛の葉姫の伝説

この神社で最も有名なのは、平安時代の陰陽師・安倍晴明の母とされる白狐、葛の葉姫の伝説です。伝説によると、阿倍保名という若者が家の再興を祈願して神社に参拝していた際、狩人に追われた白狐を助けます。その白狐は葛の葉姫と化身し、保名と結ばれ、晴明(幼名:童子丸)を産みます。しかし、童子丸が5歳の時、葛の葉姫の正体がバレてしまい、彼女は「恋しくば たずねきてみよ 和泉なる 信太の森のうらみ葛の葉」という歌を残して信太の森へ帰って行きました。この歌は、葛の葉姫の深い愛情と、別れを惜しむ切ない心情を表しています。

この伝説は、歌舞伎や浄瑠璃の演目にもなり、現在も語り継がれています。神社には、葛の葉姫が姿を映したという「姿見の井戸」や、良縁祈願に効果があるとされる「千枝の楠(樹齢2000年、和泉市指定天然記念物)」など、伝説にまつわる様々な見どころがあります。

見どころとご利益

  • 千枝の楠: 樹齢2000年を超える巨木で、夫婦円満や良縁祈願のご利益があるとされています。
  • 子安石: 子授けや安産のご利益があるとされる石。
  • 姿見の井戸: 葛の葉姫が姿を映したとされる井戸。
  • 葛の葉紋: 表が一枚、裏が二枚の葛の葉が描かれた神紋。葛の葉の裏側は白いことから、「うらみのくずのはもん」と呼ばれています。
  • 御朱印: 葛の葉伝説にちなんだデザインの御朱印がいただけます。
  • 土産物: 葛餅や、狐をモチーフにしたストラップなど、様々な土産物が販売されています。

アクセス

JR阪和線北信太駅西口から徒歩約5分。参道には複数の鳥居が立ち並び、神聖な雰囲気を醸し出しています。

まとめ

信太森葛葉稲荷神社は、安倍晴明ゆかりの伝説と、歴史を感じさせる由緒ある神社です。美しい自然に囲まれた境内は、静寂と神秘的な空気に満ちており、訪れる人々に安らぎと癒やしを与えてくれます。 恋愛成就や子宝祈願、家内安全など、様々な願いを込めて参拝してみてはいかがでしょうか。 ぜひ、一度足を運んで、葛の葉姫の伝説に思いを馳せてみてください。

関連リンク・参考文献

[1] 信太森葛葉稲荷神社 | 神社.com
[2] 信太森葛葉稲荷神社 | みー散歩~神社仏閣御朱印めぐり~
[3] 信太森葛葉稲荷神社は安倍晴明と縁のある神社!伝説やアクセス方法について | TRAVELERS
[4] 不思議な伝説のある『信太森葛葉稲荷神社』 – 神社に一礼
[5] 葛葉稲荷神社 – 信太の森の安倍晴明ゆかりの狐
[6] 信太森神社~通称葛葉稲荷の白狐伝説~御神木につつまれて|Mami Mayama 星読み夢解きよもやま話
[7] 信太森葛葉稲荷神社 – Wikipedia

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